Webを見ていたら毎日新聞のサイトに「羽越・奥羽新幹線の早期実現へ 秋田-東京1時間14分短縮に」というニュースがありました。現在建設中の新幹線は、北海道新幹線の札幌延伸、北陸新幹線の敦賀延伸、九州新幹線の長崎ルートなどがあります。この他にも過去に計画されたルートは日本全国にありますが、何時になったら建設段階に入るかは不透明です。しかも、東海道新幹線が開業した時代とは異なり、今日の新幹線には並行在来線問題があり、交通網としての鉄道の将来を総合的に考えていく必要があります。
上述した記事には「(単線で高架化を抑えて経済成長は高め、運行速度は向上などの場合)」という記述がありました。新幹線を「単線」で建設しようとするのは、過去にも「長崎新幹線「単線」には課題 JR九州社長が与党検討委で意見表明」でも目にしたことがあります。
今のところ「単線」の新幹線は存在しませんし、建設中の新幹線も複線です。もし「単線」の新幹線が現実になったとすると、現在でも「単線」の在来線で普通に起きているようなことが、新幹線でもおきることになるでしょう。例えば駅で対向列車の到着待ちをするとか、運行ダイヤが乱れている時に「対向列車の到着が遅れているため、この列車の出発が遅れます」というようなアナウンスが流れたりするでしょう。
そもそも東海道新幹線が建設された当時の事情を考えると、在来線の東海道本線の運行容量に余裕がなくて、新しい路線を建設しないと解決できないと見られていたからです。しかし最近建設される新幹線は、並行する在来線の運行容量が逼迫している訳ではなく、新幹線も在来線も空席が目立つ列車が運行されているような状況を目にします。
新幹線を建設することが目的なら、複線にするほど運行容量が見込めないなら、単線にすれば解決するではないかという発想が生まれるのかもしれません。