放送大学で、2020年4月からは「線型代数学('17)」を受講しています。これは「入門線型代数('19)」に続く科目として位置づけられています。教科書(放送大学では「印刷教材」と呼びますが)が執筆された時期の関係で、本文中では「入門線型代数('14)」の記述が参照されていますが、最新の「入門線型代数('19)」とは参照頁などが異なっています。出来れば印刷教材を改訂しておいて欲しいところです。
線型代数は微積分と共に、大学における数学の入り口として考えられているようです。線形代数の目標は一般的なn次元で扱うことだと思います。しかし最初から一般的に論述すると、学生がついてこられなくなる恐れがあるので、最初は2次元や3次元で扱うことで学びやすくしようという努力がなされているようです。このような試みがあることで初学者が躓かなくなることは確かですが、簡単だと誤解することで、講義が進むにつれて、ついてこられなくなる要因にもなる気がします。
線型代数は次元数によらず一般的に成立する理論を目指していると思いますが、そのために必要な道具や材料を次々に学習することになります。しかしそれらを初めて学ぶ段階では、何のためにそれらを学ぶ必要があるのかということを必ずしもピンとくるわけではありません。むしろ、何故こんな事をくどくど考えるのだろうと思うことの方が多いでしょう。それで理解をあやふやにしていると、次第に講義がわからなくなってきて、ついに落ちこぼれてしまったことに気がつくのです。
理解が不十分でも試験を通れば、単位は取得できてしまいます。しかしそれでは何のために時間をかけて線型代数を学ぼうとしたのか分かりません。せっかくなら、(完璧でなくとも)自分が納得できるような理解に到達したいと思います。
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