2025-10-14

映画「スティング」に影響を与えた書籍

ポール・ニューマンと最近亡くなったロバート・レッドフォードが共演した映画「スティング」は、1930年代のアメリカを舞台にした娯楽作品です。時代背景や騙す手口がよくわからなくても楽しめる作品ですが、背景を知っていると、より楽しめると思います。

 

ふとしたきっかけで、この作品は、David W. Maurerによる『THE BIG CON  The Story of the Confidence Man』を参考にしているという情報を得ました。この本の訳書が山本光伸による翻訳の『詐欺師入門  騙しの天才たち:その華麗なる手口』で、光文社から1999年に発行されています。近くの図書館が所蔵していたので、読んでみました。

 

原著が何時頃に出版されたのか分かりませんが、巻末には「名著復刊に寄せて」として「あなたが手にしておられるこの本は、残念なことに長いあいだ絶版になっていたが、このたび再販されたものである」と記されています。また「第八章」の「1 一番人気の「スマック」」という個所には「ちょうどこの箇所を書いているとき(1939年11月21日)」と書かれているので、1940年代に出版されてのではないかと思います。 

 

この書籍を原著者が出版した時には、「スティング」という映画が生まれるとは思ってもいなかったでしょう。しかし巻末の「名著復刊に寄せて」の中には「ジョージ・ロイ・ヒル監督は本書に触発されて『スティング』(1973年)を制作したが」と書かれています。

 

映画「スティング」の中では、ロネガンを騙す手口として「古い手だが電信を使おう」と相談するシーンが出てきます。この手口が、まさに本書では「第三章」の「1 電信を利用した「ワイヤー」」で詳しく書いてあります。これ以外にも、本書に書かれていることが映画「スティング」の端々で使われており、本書を読んだ後で映画を見れば、さらに楽しめるでしょう。 

 

映画「スティング」に限らず、どんな映画でも、もっと言えば、映画に限らず小説でもドラマでもそれ以外でも、背景事情に通じていると、より楽しめるものです。知らなくても楽しめるのがヒットする作品だとは思いますが、知識を持っていれば、うっかりすれば見逃してしまいそうなシーンでも、ピンとくることがあるでしょう。 

0 件のコメント:

コメントを投稿