2020-03-20

『線形代数 基礎と応用』(飯高茂著)の「まえがき」から

図書館で『線形代数 基礎と応用』(飯高茂、朝倉書店、講座数学の考え方#3)を借りてみました。放送大学教養学部で2019年度第2学期に「入門線形代数('19)」を受講し、2020年度第1学期には「線形代数学('17)」を受講する予定なので、参考にするためです。

数学(に限りませんが)は、解析、代数とか、微積分、線形代数、幾何などの学問分野に細分化されますが、その範囲が明確に定められている訳でもありません。さらに、各分野の入門書(に限りませんが)の到達目標が明確とも感じられません。一般的には、あれこれと参考書に目移りせず、教科書を何度も読んで理解するのが、望ましいのでしょう。しかしながら、論理の展開が分かりやすい(と感じる)本と、そうではない本があるので、ひとつの書籍にすがるよりも、何冊も参考書を読んでみる方が良いと思っています。

本書の「まえがき」には以下のような記述がありました。
 「大学の教師は自分が学生のとき理解できなかったことは丁寧に教えるが、自分が容易に理解できたことは学生に詳しく説明しないものだ」ということを「数学教育世界会議」(*1)の大学教育分科会で聞いた。実に耳の痛い話で、おおいに反省させられた。
(*1)2000年夏に幕張で開かれ、世界中から数学の先生が2000人以上集まった。

これは大学に限らず、小中高の教師でも同じことだと思います。ある科目の教師になるくらいの人物は、その科目が得意だったことが多く(努力して得意になった人も中にはいると思いますが)、その科目がわからない人の気持ちが理解できているかどうか、僕は懐疑的です。このことについて教師自身はどう思っているのだろうと常々考えていましたが、この「まえがき」を読む限り、同じような思いを感じている人がいないわけではないことが確認できました。

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