2020-03-03

流行している「させていただく」という表現

「させていただく」という表現が多用(乱発?)されています。この表現を使っておけば、丁寧に見える、謙虚と思われると考えているのかもしれません。そういう一面はあるかもしれませんし、うまく使えば文章が締まるでしょう。

問題は使いすぎです。

そもそも「させていただく」という表現は誤用だから、使うこと自体が間違っているという意見もあるかもしれません。その意見も一理あるとは思いますが、言葉はルール通りにはいかないものです。物理法則と違い、言葉のルールは現状を追認する方向で決められるものです。

「させていただく」に限らず、いかに気に入った表現であろうとも、何かの表現は使いすぎるのは避けるべきだと思います。例えば料理における隠し味(もしくはスパイス)のようなものではないでしょうか。隠し味が料理を引き立てるとしても、入れ過ぎれば、むしろ入れない方がマシだったとなりがちです。スパイスが表に出過ぎた料理は、もはややり過ぎでしか無いと思います。辛さを数十倍にした「激辛カレー」というものが時折話題になりますが、それはカレーというより、辛いだけでしかない謎の食べ物でしかないでしょう。

この「させていただく」という表現を気にしている人は多いようで、Web記事「「させていただきました」はムダな敬語。シンプルに伝わる文章のダイエット」を見つけました。このような記事は他にもありますが、そのわりには廃れることはなさそうです。

その表現を使う本人として、良い表現だとは思っていないものの、そのように表現しておけば無難だという意識が働いているのではないかと思います。

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