2024-06-12

其子どもは、諸衛の佐になる

昨年から『平家物語』を暗唱しようと思っていて、ようやく「鱸」に入りました。これは「祇園精舎」と「殿上闇討」の次ですから、巻第一の最初の方です。この調子では、全巻はおろか第一巻すら覚えられない気がしますが、それは別に構わないのです。

 

ところで「鱸」の冒頭は、次のように始まります。

 其子どもは、諸衛の佐になる。

 

つまり忠盛が御所で地位を得たことにより、その子である清盛や忠度なども栄華を極めようとしているのです。


それはともかく、「其子どもは」というのは、使われている文字が古態ですが、現代文でも違和感なく読めるでしょう。しかし古文では「其/子/ども」と区分して理解するのではないかと思います。現代文なら「其/子ども」と理解するでしょう。

 

今日では、「子ども」というのは複数を意味しないので、複数であることを強調したければ「子ども達」となります。しかし古文では「兵ども」のように「ども」は複数を意味する言葉ですから、一人なら「其子」だし、複数なら「其子ども」となるところでしょう。

 

「其子ども」を、古文風と現代文で発音しわけるのは、ちょっと難しいかもしれません。「其子」の後に、僅かに間をいれて「ども」に続ければ古文風に、「其」の後に、僅から間を入れて「子ども」に続ければ現代文風に聞こえるでしょうか。

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