2019-05-07

「七人の侍」時代の風景

2019年3月21日にNHK BSプレミアムで黒澤監督の「七人の侍」が放送されました。録画しておいたのですが、4時間弱もある長い作品ですし、余裕がなかったので、視る機会がありませんでした。この連休中にようやく視ることができました。過去に一度見た記憶があるのですが、あまりよく覚えていないので、初めて見たのとほぼ同じです。

作品の時代設定は戦国末期(1586年)ですが、時代考証をしているとは言っても、描かれている風景がその当時の様子を正確に再現しているのかどうかは、実際のところよくわかりません。この作品が公開されたのは昭和29年ですから、江戸時代末期くらいの風景ならば残っていたかもしれません。しかしさすがに中世末期の風景は残っていないでしょう。中世末期から近世の頃は、今日にくらべれば時代の変化が少ないと思われるため、江戸時代末期でも戦国時代末期でも、農村や宿場町の風景はたいして違いは無いのかもしれませんが、正確に言えば、同じというわけでもないでしょう。

作品の初めで、志村喬が演じる島田勘兵衛が宿場町を歩いていく周囲の風景は、破れた塀や、瓦屋根や板葺き・茅葺きの建物が並び、過去の日本の風景を彷彿とさせます。作品の中心となる農村の様子はセットを組んだようですが、それ以外のシーンでもセットを組んでいるのか、それらしい場所を探してロケをしたのか、よくわかりません。しかし21世紀の今日では見ることができなくなった、昔の日本の姿があり、とても心を惹かれます。

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