2024-09-02

UNIX V6のブートストラップ

PDP-11で動作したUNIX v6の内部構造に関する資料としては、『Lions' Commentary on UNIX』が有名です。これを用いてカーネルについて学んでみようと思い、いろいろと情報を集めているところです。

 

カーネルと言うものは、UNIX V6に限らず、WindowsでもLinuxでも、マシンの電源が入ってから、ブートストラップ処理を経て、カーネルとしての起動が完了します。カーネル自体はマシンの機種依存性が少なくなるように作られていますが、ブートストラップ処理はマシンに強く依存した処理になっています。

 

上述したLions本では、ブートストラップ処理について次のように書かれています。

これで、プロセッサのROMに永久に記憶されているブートストラッププログラムがスタートする。ブートストラップローダープログラムは(システムディスクのブロック#0から)大きなローダープログラムをロードし、この大きなローダープログラムが/unixと呼ばれるファイルを探し、メモリの低位部分にロードする。

 

これが間違いとは思いませんし、現状のWindowsやLinuxだって同様のブートストラップ処理をおこなっているはずですが、現状のパソコンのブートストラップ処理と同じイメージを持つと、PDP-11当時の状況を見誤ってしまう気がします。


調べてみたら、Web上で「PDP-11のブートストラップ」という記事を見つけました。Lions本ではあっさりと書かれている処理が詳細に書かれているので、細部がよくわかります。


しかもLions本で「プロセッサのROMに永久に記憶」されていると書かれている「ROM」というものが、現状のパソコンのような半導体メモリをイメージしてしまうと、当時の状況を反映していないと思われます。これもWeb上の記事「Diode Matrix」を見ると、具体的にわかります。

 

またYouTubeでも「PiDP-11 - Manually toggling the bootloader for RT-11」や「Booting v6 Unix on a PDP-11/34」などを視れば、PDP-11で起動する手順がどのようなものだったのかが、よくわかります。

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