2024-09-22

自然科学

NEKO PUBLISHINGから「RM Re-Library」というシリーズの出版物があります。これは同社が出版する「RM Library」のバックナンバーから人気のあったものを再編集しているようです。近所の書店に行ったら『昭和30年代の国鉄列車愛称板』(RM Re-Library 28)があったので購入してみました。

 

そもそも日本の鉄道で列車名がついたのは、昭和初期に「富士」や「燕」などが登場した時とされています。それと同時に「愛称板」も登場しました。戦後国鉄になり、昭和30年代になると日本全国に特急、急行、準急が増発され、様々な「愛称板」が取り付けられて運行されるようになったようです。

 

本書を見ていて、最も驚いたのは「自然科学」という名称の列車が運行されたことです。これの愛称板は、43ページに掲載されています。1960年10月23日に新宿駅で撮影されたことしか書かれていないので、これが(特急ではないと思いますが)急行なのか準急なのか、それとも臨時列車だったのか、何もわかりません。

 

愛称板は、一般に丸形が多いですが、この「自然科学」は角形です。上部に横書きで「自然科学」 とあり、中央には縦書きの大きな文字で「新宿」とあります。どちらかと言うと「新宿」と書かれている方が存在感があるので、これが列車名のように見えなくもありませんが、本書では列車名を「自然科学」としています。

 

頭を冷やして考えてみると、「自然科学」なんて名前の列車が存在したのだろうかと疑問に思います。一般に列車名と言うものは、「富士」とか「さくら」のような名前が多いですし、「つばめ」・「はと」・「かもめ」とか、「東海」・「しなの」・「比叡」・「八甲田」など、 乗客に馴染みのある名前がつけられるものです。それに対して「自然科学」なんていうのは不自然ではないでしょうか。

 

鉄道とは関係ない何か別物を撮影したものが紛れ込んでしまったという可能性があるかもしれませんが、写真が掲載されており、その撮影年月日と撮影地が記載されていることは事実です。撮影年月日が分かっているので、その当時の時刻表を参照すれば、何かわかるかもしれません。撮影地として「新宿」とあり、これは東京の新宿のことだと思いますが、中央本線を運行したかどうかは何とも言えないと思います。当時は新宿発着の東北方面行きの列車が存在したようですから、そういう何かの可能性もあります。

 

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