2019-12-30

2020年1月号の日経Linux(カーネル)

2020年1月号「日経Linux」の別冊付録は「Linuxカーネルが基礎からわかる本」です。OSのカーネルというものを題材にした雑誌記事や書籍は、人気のあるテーマのようです。この別冊付録で「本当に」カーネルが基礎からわかるのか、という疑問はおいておきます。

Linuxを扱うためにカーネルの知識が必要なのかという質問に対しては、あればあったで構わないが、必須ではない、という回答になるのではないでしょうか。Linuxに限らずOSS(Open Source Software)の世界では、不具合があったらソースを見れば問題を解決できると言われる事があります。それはそうなのかもしれませんが、そんなに簡単な話でもない気がします。

一方で、カーネルなど内部構造について知的好奇心を持つこと自体は、悪くないと考えています。その道のりは険しいかもしれませんが、挑戦してみることは良いことだと思います。

しかしカーネルばかり脚光を浴びているのは、なんとかして欲しいとも感じています。昔々のコマンドラインの時代ならいざ知らず、今はGUIが当たり前の時代になっています。CHUIの時代であれば、内部構造を知りたければカーネルに手を出せばよかったのでしょう。

GUIの時代ともなると、多様なデスクトップ環境が使われているため、基盤として「freedesktop.org」が使われています。ユーザが直接目に触れるKDEであるとかGNOMEの奥には、freedesktop.orgの機能が使われていて、これはこれで複雑に絡み合っています。そこを分かりやすく全体像を捉える情報を求めているのですが、なかなか巡り合えません。個別的な情報はWebにありますが、えてして木を見て森を見ずという状態になってしまいがちです。

カーネルの話題が頻繁に雑誌記事になるのに比べると、freedesktop.orgの話題が雑誌で特集されているのは、まず見たことがありません。

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