2017-01-04

青函フェリーで函館から青森へ

北海道から本州に戻るために「青函フェリー」を利用してみました。函館と青森の間は津軽海峡フェリー株式会社が 運行する「津軽海峡フェリー」と、共栄運輸株式会社と北日本海運株式会社が共同運航する「青函フェリー」があります。どちらも毎日8往復しており、さらに深夜便もあります。フェリー乗り場が街の中心部から外れているのは仕方ないところです。ただし深夜便をうまく使えば、青森や函館で一泊してから北海道新幹線で移動するよりも、時間を有効に使えます。

今回は青函フェリーを利用しました。函館23時30分発、青森3時20分着です。鉄道と違って、乗船手続きや下船待ちなどがありますし、JR函館駅やJR青森駅などからの移動時間も考えておかなければなりません。

事前に予約を入れた際に乗船手続きを23時までに完了させるように言われていました。当日は札幌方面からJRで函館に19時15分頃に戻ってくるつもりでいました。夕食をとって、休憩しても、時間はたっぷり残っているはずでした。

地図を見ると函館市の西側の海沿いにフェリーターミナルがあるようです。JR函館駅からでも歩いても行けそうでしたが、「北海道&東日本パス」を持っているので楽をして、JR五稜郭駅から歩くことにしました。

函館20時15分頃に乗車して五稜郭駅で下車しました。駅は線路の東側にあります。駅を出て右手に行くと、角に五稜郭駅前郵便局があるので、そこを曲がり跨線橋を渡ると駅の西側に出られます。そのまま道を直進すると、国道227号線(大野国道)に出られます。

地図で確認したところでは、フェリーターミナルは国道沿いに北上したところのはずでした(実はこれが勘違いだった)。今年は積雪が全くなく、歩いても足元の心配はありませんでした。ひたすら歩いて行くと、遠目にフェリーらしき姿が見えてきました。JR五稜郭駅を出てから30分ほどしかたっていないので、思ったほど遠くなくて良かったと(安易に)考えていました。

ところが近づいてみると、そこは津軽海峡フェリーの乗船場でした。どうも青函フェリーはここではないようです。青函フェリーの乗船場を探して、さらに北上を続けることにしました。

歩き続けていると、函館市を抜けて北斗市に入ってしまいました。「函館港は北斗市にあるんだろうか?」と意味のない疑問が頭をよぎります。「新東京国際空港」が千葉県にあるような例も考えられるので、「函館港」が北斗市にあっても構わないのですが、楽観的な気分が不安に変わってきました。

さらに歩き続けていると、道南いさりび鉄道の七重浜駅の近くまで来ていました。しかも行けども行けども、周囲は暗く、海沿いを見渡してもフェリーの灯りが見えません。胸を冷やりとするようなものが通り過ぎていく気がしました。

幸いにもコンビニがあったので、念のために印刷しておいた地図を見せて、現在場所を教えてもらうと、想定していたよりも遥かに遠くまで歩いて来てしまっていることが分かりました。 急いで来た道を戻ることにしました。

ずっと北上してきた道を函館に戻って南下していると交番がありました。最近は無人の交番が増えていますが、パトカーが停まっているので誰かいそうです。「青函フェリー」の乗り場を探していると尋ねると、すぐ近くにあると教えてくれました。次の最初の信号を海側に曲がったところだそうです。先程までずっと歩いてきたのに、そんなものあったかなと思いながら、教えてもらったとおりに行ってみました。しかしそこは津軽海峡フェリーの乗り場でした。

もしかすると共同で利用しているターミナルなのかもしれないと思い、建物に入ってみましたが、青函フェリーとは無関係のようです。係員に尋ねてみると、青函フェリーのターミナルは別の場所にあると親切に教えてくれました。どうやら交番で教えてくれたのは「青森と函館を結んでいるフェリー(いわゆる青函連絡フェリー)の乗り場」だったようです。津軽海峡フェリーも「青函連絡フェリー」のひとつですが、青函フェリーとは違います。

道に迷って不必要に歩き続けていたので、この時すでに22時近くになっていました。乗船手続きの期限は23時と言われているのでまだ余裕があります。もし函館でノンビリ休憩していたら、もう間に合わなかったでしょう。危ないところでした。

いそいで道を戻ってくると青函フェリーターミナルの所在を示す看板が見つかりました。よく見ると、ここはJR五稜郭の駅を出た後で国道にぶつかった交差点でした。間抜けな話ですが、よく周りを見ていれば、不必要に遠くまで歩かなくても良かったということです。確かに青函フェリーのターミナルは、ここのそばにありました。

青函フェリーは予定通りに青森港に到着しました。

青森では雪が降っていました。降り方は強かったものの、積雪が殆どありませんでしたので、傘を差せば歩くのには不自由はありませんでした。フェリーターミナルから青森駅まで歩きました。道に迷うこともなく、順調でした。40分くらいで青森駅に到着しましたが、青森駅は夜間閉鎖されており、開くのは5時20分とのことです。

青森駅前には吉野家があるはずですが、最近は24時間営業をおこなっておらず、閉店時間帯でした。コンビニは開いていたので軽食を買い、それを食べながら青森駅の入り口前で開くのを待っていました。積雪もなく、風もない穏やかな夜だったのが幸いでした(気温は低かったのですが)。数年前に急行はまなすに乗車するため青森駅のホームに並んでいたときの記憶では、積雪も多く、強風が吹いていて、凍死するんじゃないかと覚悟したのを思うと、雲泥の差でした。

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