放送大学教養学部で 2020年度第2学期は「新しい言語学('18)」を受講することにしました。講義の第1回は、「新しい言語学と言うからにはその前の言語学がある」ということで、これまでの言語学の歴史について説明がありました。
そこで出てきたのが「構造主義」です。「構造主義」とか「ポスト構造主義」という言い方は、論文を読んでいると目にすることがあります。関係する人物としてレヴィ・ストロースの名前が挙げられますが、結局なんなのか良くわかりませんでした。
図書館で入門書を探したところ、講談社現代新書898の『はじめての構造主義』(橋爪大三郎)を見つけたので読んでみました。出版されたのは昭和63年ですから、30年以上前の書籍です。しかも以下のような記述もあり、もはや構造主義(とポスト構造主義)は過去の話にすぎないのかもしれません。
ところで最近では、「ポスト構造主義」というのが主流です。「ポスト」とは「それ以後」といういみですから、構造主義なんかにいまごろまだひっかかっているようでは、”遅れてる”もいいところでしょう。だいいちポスト構造主義でさえ、もうけっこう”古い”わけです。
古い話を今頃になって勉強する意義はともかく、本書を読んで、なんとなく構造主義の考え方や関連人物の関係が見えてきた気がします。筆者の語り口は、新書だからかもしれませんが、普通の学術書に比べれば、くだけています。わかりやすくしようという試みのひとつなのかもしれません。
本書は入門書なので、これを読んだだけで構造主義について完全な理解が得られるわけではないと思いますが、十分に「入門」の役割をはたしていると思います。さらに深く知りたいのであれば、本書を基礎に、別の書籍を読み進めていけばよいのでしょう。
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