2016-09-05

National Geographic Channelで放映している「カー・SOS 蘇れ!思い出の名車」

ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルでは以前から「カー・SOS 蘇れ!思い出の名車」という番組を放映しています。2016年8月からはシーズン4が放映中です。Fuzz TownshendTim Shawの二人組(+多くの作業スタッフ)がボロボロになった50年くらい前の自動車を工場から出てきたばかりのように修復する過程をまとめた番組です。錆びだらけの車を新品同様にするためには、使えなくなったパーツを交換したり、傷んだ内装を修復したりするので、ボロボロになった鉄板が魔法で綺麗になったりするわけではありません。

スクラップ同然だった車が新車並に生まれ変わった姿をみた所有者が思わず涙をこぼすのは感動的ですが、シーズン4になってお涙頂戴的な番組構成になっている感じもします。まるでTVの痛快時代劇(水戸黄門、遠山の金さんなど)のように最後にいつものパターンが出てくる「ワンパターンの安心感」が前面に出た番組作りになってきています。

また「パーツ集めの天才」(なのかもしれませんが) と謳われるのは番組制作上のキャッチフレーズに過ぎないのでしょうが、やり口があくどいのではないかと思えるシーンが増えています。

それはともかく、ボロボロの車体の板金修理の過程は、とても興味深いと思いながら視ています。専門的な工具や設備、長年の経験やスキルがあれば、たいていのものは修理できるんだなと思います。

JR東日本が静態保存されていたC58 239を復活させる過程が「SL銀河アーカイブ」で視ることができますが、同じ感想を持ちます。

話しをカーSOSに戻すと、番組を視ていて驚くのは、旧式の車のパーツを扱う店舗が存在すること、また旧式の車を所有しているクラブや展示会が多いようだということです。日本でも旧式の車の愛好家は存在しているだろうと思いますが、番組と同じような状況にあるようには思えません。

さらに、私は自宅に旧型のワークステーションを所有していますが、これをカーSOSと同じ世界観に置けるような気は全くしません。Webでは世界各地に個人的に旧式ワークステーションをコレクションしている人達がいる様子が窺えますし、日本でも表には出てきていませんが、おそらく所有者はいるでしょう。しかしもう何年も前から「ジャンクという文化が理解されなくなっている」として秋葉原から撤退していくショップが少なくありません。

自動車は、旧いクラシックカーでも最新のスポーツカーでも(ある程度は)所有者以外の家族との共有意識を持ちえるのではないかと思います。これに対してワークステーションだと、所有者だけの個人的な嗜好品に過ぎず、家族からするとガラクタの山でスペースの無駄と見えてしまう側面が強いのではないかと思います。

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