レポーターを務める芸能人が女性の場合に多い気がしますが、その土地を紹介するときに「○○は△△だそう。」という言い方をすることがあります。省略しないで言えば「○○は△△だそうです。」となるところでしょう。旅番組の根本に関わることになりますが、そもそも他所の土地には見られないその土地独自の珍しいものを紹介することが多くなるので、自然と伝聞を意図する「~だそうです」という言い方が多くなるのは已むを得ません。
「ここで採れる何々は今が一番おいしいのだそう。」、「ここから見る何々は素晴らしい景色なのだそう。」、 「~だそう。」、「~だそう。」と最初から最後まで「だそう」が続くといささか食傷気味です。語尾を「だそう」で止めるのは省略形式ですから、いろいろな語尾を使う中に混ぜて使う分には別に何とも思いません。むしろ上手く使えばスパイスの効いた表現として生きてくると思います。
勘弁してくれと感じるのは、番組の最初から最後まで「~だそう。」が続くことです。全く同じことを感じているのではないと思いますが、Webでは「「○○だそう。」という使い方に違和感」という意見がありました。
違和感云々とは別問題ですが、次のような意見があることを思い出しました。平成28年第1学期に放送大学大学院で受講した「国文学研究法(15)」の印刷教材(「15 論文の文体」より)ではこのように書かれていました。
「だ」「である」の常体で文章を書く場合に、不慣れだと、文末表現が単調になってしまう傾向がある。ほとんどの文章の末尾が「だ」「だ」「だ」、「である」「である」「である」などというように、同語反復となり、単調になりがちである。これは研究論文を書く場合の心得に関することなので、テレビ番組のレポーターの発言とはそもそもの対象が異なりますが、その根本となる発想は同じではないでしょうか。
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