放送大学教養学部で今期受講している「英語で読む大統領演説('20)」の第5回目は「Franklin D. Roosevelt's First Fireside Chat (1933)」でした。これは、日本語では「炉辺談話」とも呼ばれ、ルーズベルト大統領が任期中にラジオを通じてアメリカ国民に語りかけたものです。その第1回は就任直後の1933年3月12日におこなわれ、1933年3月9日に成立した「緊急銀行法」を踏まえています。
受講している科目は、大統領演説を素材として英語を学ぶというだけではなく、アメリカと言う国家を知ることも目的としています。さらには文章を理解するためにパラグラフ・リーディングの考え方も利用しています。
パラグラフ・リーディングのスタイルが文章を理解するために助けになることは否定しませんが、それだけで文章が理解できる訳ではないのではないかという気がしてきました。例えばルーズベルト大統領の初回の炉辺談話の話題は、当時のアメリカ国内における最重要課題を取り上げています。それは当時のアメリカ国民であれば、自分たちの問題として、身近に感じている深刻な状況であったはずです。だからルーズベルト大統領とアメリカ国民は状況認識を共有していることを前提に、大統領は語り、国民は聴くわけです。ところが英語の勉強のために大統領演説を素材としているだけである約90年後の日本人である私は、そのような状況認識を共有していません。英語に不慣れであることに加えて、時代背景にも不慣れなので、結局内容が頭に入ってこないのです。
直接的な英語の勉強とは異なりますが、英文の背景を押さえる努力が必要なのではないかと思います。それは時代背景かもしれませんし、文化的背景かもしれません。もしくは個人的な志向もあるでしょう。そういう事を踏まえた上で英文を理解することになると思います。
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