2021-05-30

「月刊みんぱく」(2021年6月号)の巻末エッセイ

「月刊みんぱく」の巻末には「ことばの迷い道」というエッセイが掲載されています。2021年6月号は人間文化研究機構総合人間文化研究推進センター研究員である茶谷智之さんが執筆した「信頼してはいないけれど」でした。

インドの首都デリーで著者が体験したエピソードをもとに、ヒンディー語における「信頼」についてエッセイで紹介しています。そのエピソードでは、インドでは隣人を「ウィッシュワース」はしていないけど「バローサー」はしていると言われて混乱した経験を語ります。それらの言葉はヒンディー語で、日本語では「信頼」に相当するようです。

日本語でも「信頼」という言葉を発した人物の気持ちとしては程度の違いがあることは少なくありません。「期待はしている」程度だったり、「あてにしている」という気持ちで「信頼」という言葉を使う人がいない訳ではないでしょう。

言葉を発した側が、どのような気持ちを持っていたかは伺い知れませんが、表に現れた言葉は発信側の意思を示していると考えるしかありません。それを基に他言語に翻訳し、他言語の「意味が完全に一致するわけではない」単語に置き換わって受信側に伝わると、言語コミュニケーションにおける理解不全に結び付くでしょう。

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