2020-06-09

「空間」と「時間」という感性の形式

NHKで放映されている番組「100分 de 名著」の2020年6月のテーマは「カント 純粋理性批判」です。当初の予定では2020年5月に放映されるハズでしたが、COVID-19で制作が影響を受けたようで1ヵ月延期となりました。

NHK出版から出ているテキストでは、34頁に次のような記述があります。
「空間」と「時間」という感性の形式(感性にもともと備わった二つのフレーム)を抜きにして、事物を捉えることはできません。

「純粋理性批判」というのはイマヌエル・カント(1724~1804)の代表作で、難解な著作としても有名です。もっともこの書籍に限らず、哲学の書籍は、どれも難しいという印象を持つ人が多いでしょう。

話を戻して、「純粋理性批判」の解説の中で「感性の形式(空間と時間)」という説明が現れた事には驚きました。「空間と時間」というキーワードから思いつくのはアインシュタイン(1879~1955)による相対論における4次元空間(3次元空間+時間)の事です。

私たちが生きている世界は「3次元空間」なので、次元を落として「2次元空間(平面)」とか「1次元空間(直線)」を理解することは容易です。しかし次元を上げることは直観として理解できないし、図示することも不可能です。しかし相対論では「3次元空間」の次元を上げると「時間」を加えて「4次元空間」で理論を組み立てています。

カントは哲学であり、アインシュタインは物理学です。両者は時代が違いますし、学問分野も全く違うので、双方に交流があったとも思えません。そうでありながら、「空間」と「時間」を組み合わせることに自然な繋がりをみていることには、驚きを感じます。

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