NHK Eテレで放送されている「100分 de 名著」の2017年4月のテーマは、三木清の『人生論ノート』でした。人生論というタイトルの作品は三木以外にもトルストイが著した『人生論』もあります。
『人生論ノート』の中の「幸福について」において三木は「疑ひなく確かなことは、過去のすべての時代においてつねに幸福が倫理の中心問題であつたといふことである。」と書いています。
さて幸福論というタイトルの作品も巷に溢れています。アランの『幸福論』とかヒルティの『幸福論』などがあり、他にも数多く出版されています。100分 de 名著では2011年11月にアランの『幸福論』が扱われています。
「幸福」論という言葉から受ける印象と「人生」論という言葉から受ける印象は異なるかもしれません。しかし両著の目次を見比べてみれば気付くように、著書の中で扱おうとしている内容はほとんど同じです。
三木の『人生論ノート』で「人間はどこまでも幸福を求めるといふ事實を根本として彼等の宗教論や倫理學を出立したのである」と語るように、一側面として人生とは幸福を求めることです。そうであればこそ、そのような課題に取り組む作品が(たとえタイトルが異なっていたとしても)数多く著されているわけです。
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