2016年12月に「ナンバープレートに英字導入へ 希望番号で人気数字枯渇」というような報道がありました。自動車のナンバープレートというのは(例えば「品川 330 さ 11-11」であれば)、順に「地域名」(例示の場合「品川」)、「分類番号」(例示の場合「330」)、「平仮名」(例示の場合「さ」)、「一連指定番号」(例示の場合「11-11」)と呼ぶそうです。この中の「分類番号」が現状の3桁では不足するようになったそうなので、英字を使用するのだそうです。これは検討されているのではなく、もう間もなく2017年4月から実際に使われ始めるようです。
この「分類番号」は、現在は数字3桁ですが、以前は数字2桁でしたし、もっと昔は(古い映画などで見ると) 数字1桁でした。不足するたびに数字の桁数を増やしてきたわけですが、今回は「数字」の他に「英字」を使うことで容量不足を補うつもりなのでしょう。
英字を全て使えば26種あるので数字10種と組み合わせれば、数字の桁数を増やすより、桁数を変えずに容量を大幅に増やすことができるはずです。理論的な最大値は、数字3桁であれば10の3乗なので1,000ですが、英数字3桁ならば(10+26)の3乗より46,656となり、46倍以上もあります。
しかし実際には視認する都合で不使用となる英字が出てくるでしょう。「I(アイ)」や「O(オー)」は、数字の「1(イチ」や「0(ゼロ)」 と見間違えやすいので、使われないだろうと思います。また「U(ユー)」と「V(ブイ)」も字体が似ているため誤認しやすいと思うので使わないのではないでしょうか。
さらに問題なのが、現代はIT技術が高度に発達した社会だという事です。警察などの官公庁も、自動車会社や販売店なども、内部システムをコンピュータ化しているところが大部分でしょう。おそらく管理するデータベースでは「分類番号」は「数字で3桁」として内部管理されていると思います。そこに「英数字で3桁」というルールを持ち込むのは、システムにどのくらい影響がでてくるのか、見えにくいのではないかと思います。西暦2000年前に騒がれた「Y2K問題」という社会現象と同じことです。
さらに、高速道路などに設置されているナンバープレート読み取り装置は、画像認識をおこなってナンバープレートの各要素を文字列化しているはずです。認識精度を手っ取り早く向上させるためには各要素に現れる文字種を限定することですが、そうすると「分類番号」は「数字で3桁以下」ということになっているかもしれません。これが「英数字も良い」ということに変わると、全く影響なしという訳にはいかないのではないかと思っています。
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