2017/03/16

宅配便の引き受け削減と仮想記憶におけるスラッシング

報道によるとヤマト運輸では労働負荷を改善するために荷受けを制限する方向で検討しているようです(ヤマト、残業1割削減 宅配の労働負荷に限界)。「宅配便」という小口配送方式を作り出したのはヤマト運輸ですし、Amazonなどによる昨今の通信販売の拡大によって荷物数が激増して、ヤマト運輸に限らず、どこの配送業者も悲鳴を上げているようです。

小口荷物の宅配の問題点のひとつは、配送してみたら不在である可能性を内在していることです。荷物を放置していくわけにはいかないので、1つの荷物に対して、1回の配送では済まず、複数回の配送をおこなう必要が出てきます。詳しい情報を持っていないので、実態については不明ですが、最悪の場合には再配達のために何度も足を運ぶ羽目に陥っていると思われます。

通販の拡大で荷物が増えているのに、さらに不在配達も行わなければならないとなると、必然的に残業が常態化してしまっているようです。

この報道に接したとき、コンピュータの仮想記憶における「スラッシング」が頭に浮かびました。最近はメモリが安価になり事情が変わってきているところはありますが、仮想記憶とはコンピュータの実メモリを補うために不要部分をディスクに追い出すことで、あたかも大容量のメモリを扱っているように見せかける技術です。発想はシンプルで悪くないのですが、調子に乗ってプログラムを数多く動かし過ぎると、実メモリとディスク上の仮想メモリとの入出力頻度が増えてきて、CPUの処理能力が「実際の計算処理」ではなく「ただのディスクの入出力」に奪われてしまう現象が発生します。これがスラッシングです。

宅配における再配達も、もともとの発想は顧客サービスだったのでしょう。宅配便の黎明期には再配達をおこなったところで、本来の配送業務に支障を与えるほどの事もなかっただろうと思います。それが次第に宅配が一般に浸透し、再配達の手間が本来の配送業務を脅かすようになってきてしまったわけです。

通販が一般化すると、気軽に注文を出して、安易に注文を取り消したり、配送されてしまっても居留守を使って受け取りを拒否したりする弊害が出てくると思います。「宅配便」というものが将来的に無くなるとは思いませんが、現状の延長上にサービスが続くとも思いません。

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