2016/09/11

自分の行為に「お持ち帰り」と言ってもよいか

マクドナルドのようなテイクアウトも出来る飲食店のカウンタで注文する場合、客の側が自分の行為に対して「お持ち帰りです」と言っている場面に遭遇することがあります。僕としては違和感があり、店員側が「お持ち帰りですか」と尋ねることは許容しても、客側が「お持ち帰りです」と自分の行為に「お」をつけるのは受け入れがたいです。

英語のように「For here, or to go.」で客の側も店員の側も済ませられれば簡単だとは思います。

またテイクアウトではなく店内で飲食する食堂においても、入店した客の側が「おひとりさまです」と自分から言っていたのを先日耳にして同様の違和感を覚えました。この場合でも店員側が「何名様ですか」と尋ねたら客側が「ひとりです」とか応答するのをイメージしているのですが、自分で自分のことを「おひとりさまです」と答えているのには驚きました。

Webをみると同様の疑問を持つ人がいる(店で店員に「お持ち帰りでお願いします。」という言葉は正しいですか? 「お」を付けるのが正しいですか)ようですが 、間違っているという回答の他にも、それで問題ないという回答もついています。

問題がないという主張の根拠は、その「お」は美化語であり「お水」のように表現するのと同じことだそうです。確かに「お水ください」のように言う事はあります。しかし「水ください」と言う事もあります。 この場合では「お」の有無は許容できます。

そうだとしても、客自身が「お持ち帰り」・「おひとりさま」と発言するのは許容できかねるのです。特に「おひとりさま」というのは店員側からの尊敬表現として「お」や「さま」がついている訳ですから、客側が言う事ではないでしょう。

もう随分前になりますが大修館書店から出た『問題な日本語』 という本が評判になったことがありました。出版当時興味深く読んだ記憶はありますが、もう細部は覚えていません。そこで「おビール」という表現が出てくる状況の話題があった気がします。「水」・「コーヒー」・「紅茶」・「ビール」などに対して、「お水」・「おコーヒー」・「お紅茶」・「おビール」などと表現する人はいるようです(「おワイン」というのは聞いたことがありませんが、もしかしてそういう風に言う人もいるんでしょうか)。

この手の話題は「正しい日本語か乱れた日本語か」という議論と結び付けられやすく、あっという間に炎上してしまうので取り扱いに注意が必要です。言葉が時代とともに変わっていくのを受け入れるとしても、どういう言葉遣いがどういう意味を持っているのかを考えていくことは大切だと思っています。

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