2022-09-10

これから開業する新幹線と並行する在来線

Webでみかけた「函館線「新函館北斗~小樽廃止」に現実味。北海道の在来線は途切れてしまうのか」によれば、北海道新幹線の札幌延伸により、並行在来線となる函館本線の新函館北斗から小樽まではバス転換される気配が濃厚のようです。

 

新幹線停車駅の新函館北斗と函館の間は、鉄道を残すことになりそうですが、JRからは切り離すようです。木古内から五稜郭までは道南いさりび鉄道が運行していますから、新函館北斗~函館も同社の運行で良いのではないでしょうか。このような状況は確定しているわけではないので、今後どうなるか分かりませんが、少なくとも長万部~小樽間の並行在来線問題を経緯を見ている限りでは楽観できません。

 

仮に函館付近が全て道南いさりび鉄道になるとすれば、函館駅はJRの駅ではなくなることになります。これは驚くべき事態です。東北新幹線開業において、青森~盛岡は青い森鉄道IGRいわて銀河鉄道に変わりました。しかし青森駅も盛岡駅もJR東日本の他の路線が乗り入れているため、JRの駅であることは変わりません。ところが函館駅は、他にJR北海道の路線が無いので、道南いさりび鉄道の単独駅になるでしょう。さらに、函館駅から五稜郭駅の間には広大な車両基地などが拡がっていますが、これらは不要になると思います。また函館駅のホームは4面7線ありますが、これらも要らなくなるでしょう。 

 

また、仮にJR東日本がクルーズトレインを北海道に乗り入れたとしても、函館までは来られるかもしれませんが、札幌以遠には行けなくなります。それは観光面でもデメリットになるでしょう。


ここまで考えてきたのは、旅客線としての鉄道ですが、貨物線としての鉄道も考えなけれなりません。長万部~小樽の並行在来線問題では、貨物は室蘭本線を通るため問題になりませんでした。しかし函館~長万部では貨物線としての機能も考えなければなりませんが、それは誰が考えるのでしょうか。仮に旅客線も貨物線も全て無くなるのであれば、物流としての鉄道の役割は大きな転換点を迎えると思います。JR貨物としても看過できないのではないでしょうか。

 

全国に新幹線網を作ろうという計画をたてた段階(整備新幹線決定から41年 未だ見えぬ全線完成)では、並行する在来線を捨てようとは考えていなかったはずです。それが今日のように新幹線があれば在来線は要らないという社会状況に変わってきている中で、それでもやはり新幹線にすることが最適なのか考えなければならないと思います。

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