2020-05-07

The Feynman Lectures on Physics

物理学を学ぼうとする際の教科書として『ファインマン物理学』を勧める声が多くあります。この書籍は、原文では3巻組ですが、日本語訳では5分冊になっています。これまでにも図書館などで借りて読んだことがありますが、小説を読むわけではないので、短時間で読むことは出来ません。たいていの図書館では2週間くらいしか借りられないので、その時間ではとても足りないのです。何時でも読めるように手元におこうと考えても、けして安くはない買い物で、二の足を踏んでいました。

先日Webを見ていたら、ある記事の中で『ファインマン物理学』がWebで公開されていると書かれていました。調べてみたら「The Feynman Lectures on Physics」というサイトがあり、(もちろん原文ですが)書籍も全て読めるようになっていました。さらにファインマンの講義資料なども公開されており、とても充実しています。

ウィキペディアの「ファインマン物理学」に書かれていますが、この書籍は講義を書き起こして出来ているため、元々教科書として執筆された書籍とは成立が異なっています。厳密に言えば、これは教科書というよりも、副読本なのかもしれません。
この本はファインマンの講義のテープ起こしが元であるため、各章のまとめ、具体的な計算手順を示した例題、演習問題など一般的な物理の教科書が備えるべき要素が多く欠けており、講義の教科書や独習用としては採用しにくいといえる。

物理学に限りませんが、いかに著名な教科書であろうとも、真に理解を深めるには、テキストを読み流すだけに留まらず、実験したり、例題や演習問題を解いたり、式の導出を追いかけたりすべきだと思います。そういう事をすると、読むのにも時間がかかりますので、Webで何時でも読めるのは大変助かります。日本人としては英文なのが難点ではあります。しかし(和訳本にありがちな)変な翻訳だったり訳出が省略されていたりする事を考えれば、英文で勉強できる態度を身に着けておく方が、今後の自己の世界を拡げていくのに役立つでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿