2025-07-20

本棚

よく本を読む人が、ついには作家になったとします。もっとも作家と言っても、次々と新作を発表する人もいれば、ほとんど発表しない人もいるでしょう。それを全て網羅して議論はできませんから、継続的に作品を出し続けている人を念頭に考えたいと思います。

 

作家になるくらいの人は、例え作家にならなかったとしても、本を読み続ける習慣を持っているはずです。本を全く読まないのに作家になるというのはナンセンスでしょう。それはともかく、本を読むとしても、全てを買っている訳ではないかもしれません。図書館で借りることもあるかもしれません。また購入した本を、全て手元に残しておくとも限りません。内心は残しておきたいと思っていても、所蔵スペースの関係で、無制限に残しておける訳でもないでしょう。

 

趣味として書籍と向き合っている限りは、手元に残している蔵書が多くても少なくても、どちらでも構わないと思います。しかし職業として作家になってしまうと、そういう訳にもいかないだろうと思います。新しい作品を執筆するためには、いろいろと関連資料を収集する必要があるでしょうし、全てとは言いませんが、できるだけ多くの資料を手元に置いておく必要があるでしょう。作家人生が長くなれば、そのような資料も膨大になってくると思います。

 

例えば司馬遼太郎は、執筆にあたり資料を膨大に収集したと言われています。今でも司馬遼太郎記念館に行くと、ちょっとした図書館のような膨大な資料が集められた書籍群が見られます。他の有名な作家がどうだったのか不明ですが、それなりに大量の書籍に囲まれているんではないかと思います。

 

ここでちょっと疑問なのが、そのような書籍は、どのような状態で管理されているんだろうかということです。関心のある書籍を次々に手元に残していたら、あっという間に本の山ができてしまいます。インテリア雑誌のグラビアを飾るような、綺麗に整理された状態にはならないような気がするのですが、実際のところどうなんでしょうか。

 

本棚に書籍を並べるというのが基本なのかもしれません。しかし書籍の大きさは様々なので、関連のある書籍を集めようとすると、本棚のスペースを有効に利用できません。反対にスペースを有効に利用しようとすると、単に書籍の大きさがおなじだと言うだけで、関連性は何もない書籍をまとめて置くことになり、そうするしかないのかもしれませんが、使いにくいと思います。

 

作家に限らず、大量の書籍の整理に頭を悩ましている人は少なくないと思います。その解決方法は、個人個人の試行錯誤の結果だと思います。自分の蔵書をどうするのかは、結局は自分自身の問題なのではありますが、他の人がどうしているのかという、苦労話やテクニカルな方法論も聞いてみたい気がします。 

土用の丑の日

2025年7月19日は、土曜日でしたが、「土用の丑の日」でした。日本では本来の由来と無関係に商業化されてしまった年間行事が少なくなく、「土用の丑の日」も「うなぎ」の販売促進活動と化しています。

 

ところが「なぜ、土用に「う」がつく食べ物がいいのか」という記事によると、「土用の丑の日」というのは本来「う」がつく食べ物を食べる日なのだそうです。そうだったのですか。全く知りませんでした。てっきり鰻重を食べる日だとばかり思っていました。

 

「う」がつく食べ物として、「うなぎ」もそうですが、「うめぼし」とか、「うり」とか、「うどん」などを食べればよいようです。しかも「うし」でも良いらしいので、だったら「うなぎ」じゃなくて「ビーフステーキ」でも食べれば、夏バテ防止に役立ちそうです。しかしビフテキは安くありませんから、だったら「牛丼」でも構わないのでしょうか。

 

土用の丑の日にウナギを食べるのは平賀源内が言い出したという説が有力です。とは言え、土用にウナギを食べれば夏バテしないというのも、多分に気持ちの問題という感じですので、うなぎ販促になるなら、誰が言い出したとしても構わないというところでしょう。

2025-07-19

堆肥

自宅の庭でトウモロコシを育てています。家庭菜園です。本格的な農地ではないので、トウモロコシの生育に適した土壌には程遠いと思います。10年くらい前から毎年育てていますが、少しずつ場所を変えているので、土地が痩せてくるのを少しは防げているのではないかと期待しています。

 

10年くらい前にトウモロコシを初めて育てた時には、しっかりと育ってくれました。最初は調子が良かったのですが、だんだん土地が痩せてきたのか、昨年は生育が悪く、収穫もよくありませんでした。

 

土地が痩せてきたんだろうとは思うのですが、何をすれば対策になるのか、よくわかりません。土地の栄養が不足しているんだろうと思います。NHKの園芸番組を見ていると、いろいろな肥料を撒いていますが、同じようにやればよいのか、何か別の方法があるのか、それも分かりません。ホームセンターに行ってみたら、いろいろな肥料を販売していました。どれを買えば良いのか迷ったのですが、20リットルのバーク堆肥と鶏糞堆肥を買ってみました。それを自宅の庭に全部入れ、耕してから、トウモロコシを植えてみました。

 

5月下旬にトウモロコシの種を撒いたのですが、7月中旬の今は、立派に育っています。昨年はヒョロヒョロだったので、全然違います。8月になったら収穫できると思います。この調子なら、今年の収穫が楽しみです。

2025-07-13

日本のCTANミラーサイト

普段から文書を作る際はTeXliveにあるLaTeXを使用しています。もう今はTeXliveを使いますが、昔々はASCIIのpTeXであるとか、NTTのjTeXなどを個別にインストールしていました。それに比べるとTeXliveは、使うことがあるかどうか定かではないパッケージが大量にインストールされるので、当初は抵抗がありましたが、もう慣れました。昔はディスク容量が潤沢ではなかったので、使いもしないものを置いておくのは罪であると考えていました。でも今は、そういうことを言わずに、TeXliveで環境を整えた方が、総合的に見れば、問題が起きにくい時代ということのようです。

 

TeXliveは、毎年新しいバージョンに切り替えていて、日々パッケージを更新しているのですが、ここ最近は、更新がない日が続いていました。毎日必ず更新があるとも限らないので、更新がなくても構わないのですが、それにしては更新無しの期間が長すぎるような気がしてきました。

 

更新時のメッセージを見ると、CTANミラーサイトとして「ftp.kddlabs.jp」を参照しているようです。ところが、「CTAN Sites」で日本にあるCTANミラーサイトを確認すると「ftp.kddlabs.jp」がありません。なぜ最近まで更新できていたんだろう。元々ミラーサイトではなかったのだろうか。疑問はありますが、それよりも、有効なCTANミラーサイトに切り替える設定をしなければなりません。

 

Webを検索してみたら「tlmgr option repository http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet」というコマンドで変更できるようです。変更結果を確認したければ「tlmgr option show」でわかるようです。

 

このようにしてCTANミラーサイトを変更し、改めて「tlmgr update --all」をしてみたら、多くのパッケージ更新が行われました。僕が更新はないと誤解していた間にも、やはり更新がいろいろと出ていたようです。 

2025-07-07

「JR新幹線」という会社

旧国鉄がJRに分割された際、JR北海道からJR九州までの地域分割された旅客鉄道会社と全国をまたがるJR貨物に分けられました。その分割が良かったのか、他にも方法はなかったのか、議論はあるかと思いますが、近年のJR北海道やJR四国の窮状を考えると、決してベストではなかったと思います。

 

もうひとつ問題だと思えるのが、新幹線の扱いです。JR各社のエリアと新幹線の営業範囲が完全に重なっているという訳ではありませんが、ほぼ重なっています。しかし東海道新幹線は例外で、JR東日本やJR西日本のエリアでありながら、全てJR東海の管理下にあります。これをJR各社の管理エリアと合わせたら、新幹線の運行に支障が出るというクレームが出そうですし、現実にそうかもしれませんが、問題はそこではないと思います。

 

JR分割後の新幹線においては、並行在来線の扱いが常に問題になります。以前は第三セクターに移行することが当たり前になっていましたが、開通時期が未定となった北海道新幹線では、並行在来線を廃止するという荒業が出るようになりました。そもそも新幹線というのは、在来線の需要が逼迫しているから、「特急」に相当する列車を新幹線として建設した路線に移して、空いた線路容量を従来の鉄道で運用していくという発想だったはずです。ところが最近では、新幹線を建設すること自体が目的化していて、新幹線の営業が赤字になってしまう予測が出たり、並行在来線まで手が回らないから廃止しようとするなど、総合的な鉄道網を考えているのか甚だ疑問を感じます。

 

同一会社が、新幹線と並行在来線を所有していれば、新幹線の利用を促進するため、並行在来線の利便性を良くしたいとは思わないだろうと思います。並行在来線が便利なので、新幹線を利用する必要がありませんでしたとなってしまっては、本末転倒だからです。それならば、新幹線と並行在来線を別会社にすれば、どうでしょうか。

 

JR貨物は全国一社なので、同様に、全国の新幹線を全て営業対象とする「新幹線旅客鉄道株式会社」(通称:JR新幹線)を作り、従来から今後の新幹線を全て任せるのです。新幹線を専門とする会社なので、営業規模は大きくなると思いますし、利益も良さそうです。一方のJR各社(特にJR東海)は、新幹線が無くなり在来線だけの会社になるので、厳しい経営が予想され、「JR新幹線」なんてふざけた考えは認められないとなるでしょう。しかし新幹線と並行する在来線は競争相手となりますから、在来線の利用拡大を目指し、面白いアイディアが出てくるのではないでしょうか。

 

東海道新幹線が登場したときには、「夢の超特急」でしたが、北海道新幹線の札幌延伸や北陸新幹線の延伸問題などを見ていると、明るい未来とは感じません。 

マウスは消耗品だろうか

普段利用しているWindows10のデスクトップPCのマウスの調子が良くありません。マウスのホイールを回しても、操作した方向とは逆に動いたり、または動きがギクシャクしたりするのです。このマウスを何時から使用しているか記憶にありませんが、5年くらいは経っていると思います。それでも10年以上ではないと思います。

 

マウスが不調だった場合の対処方法を調べると、「マウスが壊れても分解して掃除すれば大体直るぞ!」のような記事が見つかります。同じような記事は他にもあり、要するに分解し、内部の埃を掃除すれば良い(だろう)ということです。

 

実際に分解してみました。PC本体のようにファンがあるわけではないので、埃がたまっているという感じではありませんでした。念のためにエアダスターで埃を吹き飛ばしてみましたが、調子が良くなった印象はありません。 

 

使用しているのは、買っても千円程度の、ごく普通のマウスです。調子が悪いのを放置して、普段のPC操作の効率が落ちるくらいなら、買い替えてしまうのが無難だと思います。つまりマウスは消耗品と考えるということです。

 

消耗品という言葉からイメージするのは、プリンタなら、印刷する用紙とかインクなどが普通です。マウスは「消耗品」っぽくありませんが、実質的には「消耗品」ということでしょうか。 

2025-06-10

JR東日本が発表した「東日本のんびり旅パス」

2025年6月10日にJR東日本が「東日本のんびり旅パス」を発表しました。最近JRから発表されるのは、割引切符や企画切符の終了とか廃止などが多かったので、このような新たな切符が発表されるのは嬉しいことです。

 

この切符はJR東日本のエリア内に限定されますが、連続する3日間は普通列車乗り放題なので、「青春18きっぷ」の地域限定版のように思えます。3日間用の青春18きっぷが10,000円なのに対して、こちらのキップは9,000円です。JR東日本以外に行かないのであれば、3日間用の青春18きっぷを購入する必要はなくなったと言えるでしょう。

 

しかも利用期間は、2025年7月1日~同年12月26日(ただし8月10日~同月19日を除く)と長くとられています。今夏の青春18きっぷの利用期間は、2025年7月19日~同年9月9日ですから、まるで勝負になりません。ますます青春18きっぷを買う必要がなくなります。

 

一方でJR東日本には、青春18きっぷと似ている「北海道&東日本パス」というものがあります。この切符は、JR東日本の他にJR北海道も利用できますし、青春18きっぷとは異なり、青い森鉄道やIGRいわて銀河鉄道も利用できます。このため首都圏から青森に向かうために日本海側を経由する必要がないのもメリットです。しかも値上げされたとは言え、11,530円ですから、5日間用青春18きっぷの12,050円よりも安価です。それでいて連続する7日間も有効なので、JR東日本とJR北海道のエリア内を旅するのであれば、5日間用の青春18きっぷを買う理由が見当たりません。青春18きっぷが必要となるのは、JR東海以西を利用したい場合に限られるでしょう。

 

2024年冬から青春18きっぷの制度が大きく変更されて、率直に言って、使いにくくなりました。その一方でJR東日本には「東日本のんびり旅パス」や「北海道&東日本パス」があるので、「青春18きっぷ」の出番は少なく(全く?)なりそうです。

 

しかしながら同様の企画切符がJR各社から出ているわけでもありません。JR東日本には「北海道&東日本パス」がありますが、JR西日本やJR東海には「東日本&東海&西日本パス」のような企画切符はありません。元々青春18きっぷは国鉄時代に生まれたものですが、国鉄がJR各社に分割されたことで、北海道から九州までのJRを通して利用できる「青春18きっぷ」をJR各社が忌避しようとしているように見えます。新幹線とかクルーズトレインのような高級路線にはJRも熱心のようですが、全国の鉄道網を活かそうとする気はなさそうなのが残念です。