2025年4月からEテレで放送されている「会話が続く!リアル旅英語」が面白いのですが、これは語学学習のための番組なのでしょうか。NHK出版からテキストが出版されていますし、NHK語学サイトからリンクされているので、NHKとしては「語学学習番組」のつもりだろうとは思います。
番組を実際に視聴してみると、何の前触れもなく、リアルな英会話シーンが映し出され、生徒役をつとめる出演者が四苦八苦しながら聴きとれた発言を書きだしています。よくある語学学習番組のように、完璧な聴き取りを求めているわけではないようです。
これは確かに「リアルな旅英語」だろうと思うし、ネイティブは、このような会話をしているのでしょう。そうとは思いますが、この番組の対象者を制作側がどのように考えているのか気になります。NHKが提示しているCEFRレベルは「A2~B1」ということになっています。A2とは「日常生活での身近なことがらについて、簡単なやりとりができる」ということのようです。「TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表」によると、A2というのはTOEIC L&Rで「225~550点」に相当するようです。
番組において、ネイティブの発言は、聴きとれてしまえば、それほど難しいことを言っているわけではありません。しかし日本人向けに手加減しているわけではありませんし、ネイティブならば日常的に使われる表現であっても、日本人には馴染みのないものも、どんどんでてきます。まさに「リアル」な英語です。
このような語学番組もあるだろうと思いますが、僕自身としては「ドライ」だと感じます。しかしそれは「語学番組」としての感想で、そうではないジャンル(例えば「旅番組」)であれば、特に違和感もないと思います。