2025-04-24

NHKの新番組「会話が続く!リアル旅英語」が面白い、しかし…

2025年4月からEテレで放送されている「会話が続く!リアル旅英語」が面白いのですが、これは語学学習のための番組なのでしょうか。NHK出版からテキストが出版されていますし、NHK語学サイトからリンクされているので、NHKとしては「語学学習番組」のつもりだろうとは思います。

 

番組を実際に視聴してみると、何の前触れもなく、リアルな英会話シーンが映し出され、生徒役をつとめる出演者が四苦八苦しながら聴きとれた発言を書きだしています。よくある語学学習番組のように、完璧な聴き取りを求めているわけではないようです。

 

これは確かに「リアルな旅英語」だろうと思うし、ネイティブは、このような会話をしているのでしょう。そうとは思いますが、この番組の対象者を制作側がどのように考えているのか気になります。NHKが提示しているCEFRレベルは「A2~B1」ということになっています。A2とは「日常生活での身近なことがらについて、簡単なやりとりができる」ということのようです。「TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表」によると、A2というのはTOEIC L&Rで「225~550点」に相当するようです。

 

番組において、ネイティブの発言は、聴きとれてしまえば、それほど難しいことを言っているわけではありません。しかし日本人向けに手加減しているわけではありませんし、ネイティブならば日常的に使われる表現であっても、日本人には馴染みのないものも、どんどんでてきます。まさに「リアル」な英語です。

 

このような語学番組もあるだろうと思いますが、僕自身としては「ドライ」だと感じます。しかしそれは「語学番組」としての感想で、そうではないジャンル(例えば「旅番組」)であれば、特に違和感もないと思います。

2025-04-22

巻島 隆『飛脚は何を運んだのか―江戸街道輸送網』

近所の書店で『飛脚は何を運んだのか―江戸街道輸送網』(ちくま新書1841)を見かけましたので、買ってみました。他の新書よりもページ数が多く、読むのに時間がかかりましたが、興味深く読了しました。巻末資料も充実していますし、参考文献も豊富に掲載されているので、これを出発点として、さらに詳しく学ぶにも助かりそうです。

 

私自身の興味関心としては、「飛脚」そのものではなく、明治になって前島密によって創設された郵便制度というものを、当時の人たちは違和感なく受容できたのだろうか?という点にあります。この新書が僕の疑問を解消するための直接的な参考になるわけではありませんが、江戸時代の飛脚制度を知れば、飛脚から郵便への過渡期について何か得られるところがあるのではないかと考えました。

 

本書の「第12章 飛躍する飛脚のイメージ」の「本書まとめにかえて」に、次のようなくだりがありました。

以上、本書で見たように江戸時代における飛脚利用は、身分的に多岐に亘っている。幕府、大名家、旗本、商人、村・町名主、文人などがよく飛脚問屋・飛脚を使った。

しかし、その日暮らしの長屋住まいの庶民が使うケースはおそらく稀であったろう。肉親の危篤や、かなりの緊急性のある場合でなければ、飛脚を使うことは滅多になかった。

 

この記述を考えれば、江戸の頃から飛脚を利用していた層であれば、明治の郵便制度が始まっても、制度的な差異があっても、とくに違和感もなく利用できたのではないでしょうか。しかし江戸期に利用していなかった人々からすれば、明治になって郵便という制度が始まったとしても、直ちに受け入れられたとは思えません。

 

郵便を受け入れられないというのは、これは僕の想像ですが、制度を受け入れられないという意味ではないと思います。もちろん慣れない制度が始まったので、最初は違和感があったでしょうが、それは慣れれば済む話です。むしろ、明治新政府のお触れなどで「郵便」という制度が始まったのは知ったとしても、江戸期に飛脚を利用しなかった人達にとって、それが自分達に関係のある事だと考えなかったのではないかと思うのです。

 

2025年の今日には当たり前となっている制度は、明治になって創設されれものが少なくありません。今日では当たり前でも、当時は当たり前ではなかったわけで、当時の人々は新設された制度を態々何かに使ってみようとするほど暇ではなかったのではないでしょうか。明治新政府の側から、利用を促すような施策がとられた可能性があるかもしれません。このような過渡期に現れる事象について、知りたいと思っているのです。

2025-04-21

pathTranslationStyle

WSLを利用する際にはWindowsターミナルを使っています。昔々のWindowsターミナルでは、エクスプローラからフォルダなどをドロップすると、Unix形式のパスに変換してくれて便利だったのですが、いつの間にかWindows形式のパスのままになっていました。形式変換には「wslpath」というコマンドがあるので、何とかなるのですが、ドロップした時に自動的に変換して欲しいと思っていました。

 

ところが、ふとしたことで、求めていた自動変換が実現していることを知りました。「pathTranslationStyle」という設定パラメータで制御できるようです。2025年2月5日付の記事「Windows Terminal Preview 1.23 Release」には、次のような記述があります。

WSL and Ubuntu lovers will love this next one! We now have a Path Translation setting that allows users to control how file paths are translated during drag-and-drop operations. This setting will also be backported to Windows Terminal 1.22!

 

 つい最近になって入った機能のようです。待ってました!という気持ちです。

WSL2とVirtualBoxが共存できた

先週後半にVirtualBoxを更新したら、WSL2が動かなくなり、復旧しようとして試行錯誤したらVirtualBoxも動かなくなってしまいました。ひとまずVirualBoxはアンインストールし、WSL2だけは動くようにしておきました。頭を冷やして、VirtualBoxとWSLを入れなおしたら、なんとか共存できているようです。

 

大雑把な手順は次の通りです。

  1. まず前提として、VirtualBoxは既にアンインストールしてあります。
  2. 「Windowsの機能の有効かまたは無効化」から「Linux用Windowsサブシステム」を無効にします。ここでWindows10を再起動します。
  3. まずVirtualBox 7.1.8をインストールしました。念のためにWindows10を再起動しておきます。
  4. ここでVirtualBox上の仮想環境を動かしたら、エラーになりませんでした。
  5. 次に「Windowsの機能の有効かまたは無効化」から「Linux用Windowsサブシステム」を再び有効にします。やはりWindows10の再起動が必要です。
  6. 心配なので、VirtualBox上で仮想環境を動かしてみましたが、エラーになりませんでした。
  7. WSL2でUbuntuを実行してみたら、エラーにならずに動きました。

 

これで、ひとまずはWSL2もVirtualBoxもエラーにならずに動いてくれるようになりました。しかし、WSL側か、VirutalBox側で何かが更新されたら、また動かなくなるかもしれません。将来も安心というわけにはいかないかもしれません。

 

どんな環境でも絶対大丈夫とは言えませんが、動作した事例があるということは言えます。ちなみにWSLのバージョンは次の通りです。

WSL バージョン: 2.4.13.0
カーネル バージョン: 5.15.167.4-1
WSLg バージョン: 1.0.65
MSRDC バージョン: 1.2.5716
Direct3D バージョン: 1.611.1-81528511
DXCore バージョン: 10.0.26100.1-240331-1435.ge-release
Windows バージョン: 10.0.19045.5737

 

またVirtualBoxのバージョンは次の通りです。 

VirtualBox グラフィカルユーザーインターフェース
バージョン 7.1.8 r168469 (Qt6.5.3)

鉄道ジャーナル

先週末にはTMSが1000号を記念するという喜ばしい出来事があったばかりですが、今週は鉄道ジャーナルが最終号を迎えるという悲しい出来事がありました。TMSと同様、鉄道ジャーナルも父親が購入していて、僕自身も子供の頃から親しんでいました。鉄道ジャーナルの他にも雑誌はありますが、鉄道関係に限らず出版業界全体が苦しい状況にあるようですから、他の雑誌も継続が危ぶまれる事態になるかもしれません。

 

今後の動向はわかりませんが、鉄道に関する情報が全くなくなる事はないと思います。どういうメディアが勃興してくるのか、興味をもって見つめていきたいと思います。

2025-04-19

TMS

鉄道模型の雑誌である「鉄道模型趣味」 (通称TMS)が2025年5月号で通巻1000号となり、記念として記事DBなどの付録DVDがつきました。この雑誌が創刊されたのは終戦直後の1947年でした。父親が鉄道が趣味で、この雑誌も自宅にあり、僕自身も子供の頃から親しんでいました。

 

雑誌名である「鉄道模型趣味」というのは、何やら不思議なネーミングです。どこかで読んだ記憶があるのですが、戦前は「鉄道模型」というと小難しく「研究に資する」とか言われるような風潮があったそうで、あえて「趣味」という語を入れることで、「鉄道を研究するために云々」というややこしい話ではないことを主張したかったようです。

 

雑誌名の由来は理解できるのですが、それをローマ字にして「Tetsudo Mokei Shumi」となり、略称「TMS」となったのは、時代のなせる業でしょうか。「Hobby of Railroad Modeling」のようになりませんでしたが、今でも「TMS」といえば、鉄道模型界をリードする存在です。

2025-04-17

VirtualBoxの最新版を入れたら仮想環境が起動しなくなり、しかもWSL環境も動かなくなった

VirtualBox 7.1.8が出たので更新したら、仮想環境が起動しなくなってしまいました。これがVirtualBoxの不具合なのか、僕のマシン(Windows10)の問題なのか分かりませんが、原因が何であったにせよ、ともかく仮想環境が起動しません。さらに不幸なことに、WSL2環境も動かなくなりました。WSL2環境は、更新作業の直前には動作するのを確認しています。VirtualBoxの仮想環境も、最近使用して、問題ありませんでした。

 

もしかすると、再起動したら問題なく動作するのかもしれません。微かな望みをかけつつ再起動しましたが、WSL2環境もVirtualBoxの仮想環境も起動しませんでした。

 

とにかく復旧させなければならないので、VirualBoxをアンインストールしました。念のために再起動したのですが、WSL2環境は相変わらず起動しません。

 

 次に「Windowsの機能の有効化または無効化」から「Linux用Windowsサブシステム」を一旦無効にして、改めて有効にしてみました。この間、何度か再起動しています。それでもWSL2環境は起動してくれません。

 

最後にWSL2としてインストールしてある「Ubuntu」を削除し、改めてインストールし直したところ、ようやくWSL2環境でUbuntuが動作してくれました。しかし一度削除しているので、壊れる前のファイルは全て無くなってしまいましたが、WSL2環境が復活したので、これで良しとします。

 

VirtualBoxの最新版に何か不具合があったのかもしれませんが、その確証はありません。もしかすると僕の使っている環境がWindows10なのが良くないのかもしれません。今年秋にはWindows10のサポートが切れるので、それまでにはWindows11に移行しようと思っています。でも薄々感じるのですが、Windows11になっても、今回のような突発的なトラブルからは逃れられない気がします。

2025-04-07

ETCの利用率は95%超らしい

2025年4月6日(日)に「1都6県でETC障害、通行料金を後日払いで対応 復旧のめど立たず」という記事が流れました。他社からも同様の記事が流れています。その他に、参考情報として「ETCの利用状況は95%以上ある」という記事も目にします。この根拠は、国土交通省の「ETCの利用状況」らしく、令和7年1月時点で95.3%とあります。

 

この統計だけなら、ETC利用率は、ほぼ100%に達していると判断できそうです。昨年あたりから、首都高や阪神高速などの料金所がETC専用ゲートになるという話も耳にします。例えば「首都高、2025年度に55箇所の料金所をETC専用化 計90箇所に拡大へ」という情報です。

 

しかし私の車にはETC機器が設置されていません。高速道を利用することがないからなのですが、たまに利用することがないわけではありません。しかしETC専用ゲートばかりになってしまうと、高速道路の利用から追い出されているような気になります。しかも首都高では「現金でご利用のお客さま」にあるとおり上限額(普通車で1,950円)を支払うことになるので、なおさら利用する気がなくなります。

 

ここで疑問なのが「ETC利用率」とは何なのか?です。定義は確認できませんでしたが、おそらく料金ゲートでETCを利用した割合なのでしょう。この母数は料金ゲートを通過した数であって、日本国内の車両全体ではありません。調べてみたら、国土交通省のサイトで「ETCの利用状況、導入効果等」というPDFを見つけました。この3ページには「ETC普及率」という情報が載っています。それによると、自動車保有台数7,970万台のなかでETCがセットアップされているのは3,994万台で、ETC普及率としては50%だそうです。

 

以上から、高速道路をよく利用する車においては、ほぼ全てがETC機器を設置済みだと言うことです。考えてみれば、よく高速を利用し、料金ゲートを通過しているなら、ETCにしない理由はないでしょう。その方が圧倒的に利便性が高いですから。ところがETC普及率が50%ということは、ETC機器が設置されていない車はまだまだ多いということです。私の車もその一台ということになります。そのような車だって、たまには高速を利用することがあるでしょう。もしくは高速を利用したい気持ちになることがあるでしょう。それなのに、全ての料金ゲートがETC専用になってしまうのは、拙速と感じます。

 

非ETCの料金ゲートを残しておくと、そのために担当者を配置しておかなければならないのを嫌がっているのかもしれません。それは理解できなくもありませんが、だからETC専用ゲートだけにしてしまうのは、それはそれで問題だと思います。非ETC車両でも利用できるような無人料金ゲートがあれば助かるのですが。