2024-10-13

PDP-11 Architecture Handbook

PDP-11/40上で動作するUNIX V6のカーネルについて学ぶための資料として、よく言及されているのが『pdp11/40 processor handbook』です。これは1972年に発行されたもので、PDP-11/40について知りたいならば、まずこの資料から始めるのが良いだろうとは、私もそう思います。しかしこの資料だけで十分かと言うと、そうでもないと思います。周辺機器についての資料も必要になので、それらに関する情報を収集しなければなりません。

 

しかしPDP-11について更に理解を深める必要があるのではないかと思います。UNIX V6はPDP-11/40上で動作しているので、PDP-11の他のモデルについて知る必要がある訳ではないかもしれませんが、どうせ学ぶならPDP-11全体について理解しておくのも、面白いのではないでしょうか。

 

そういう目的にピッタリなのが『PDP-11 Architecture Handbook』です。これは1983年に発行されたようです。このような資料が存在したことは最近まで知らなかったので、「Processor Handbook」というキーワードで検索し、PDP-11/40だけではなく、PDP-11/45やPDP-11/70以外にも、PDP-11/35とかPDP-11/04などの資料も見つけました。それはそれで興味深いのですが、このように個別のモデルの資料を集めていても、PDP-11の全体像が見えてこないのです。諺の「木を見て森を見ず」のようになってしまうのが不満でした。

 

そういう意味で『PDP-11 Architecture Handbook』は、PDP-11の全体像を知るのに便利です。これが発行された1983年以降にもPDP-11の新モデルが登場するので、完全な意味での全体像にはなっていませんが、何も無いよりはずっとマシです。

 

「APPENDIX B PDP-11 FAMILY DIFFERENCES TABLE」というものがあり、PDP-11の個々のモデルの相違点が一覧表になっています。その違いを云々するようなところまで理解するのは遠い目標ですが、このように整理されているのは有り難いことです。

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