2022年は日本で鉄道が開業して150年になり、記念イベントが催されているようです。またNHKでも、昔から撮影していた映像をアーカイブから探してきて、記念番組を放送していました。そのような映像を視ていると、知っているようでいて、実は以外に気がついていなかった事柄を発見することがあります。
その番組で、SL弁慶号が復元されて運転される様子が映っていました。このSLは、北海道開拓時代にアメリカから輸入された機関車なので、大きなカウキャッチャーを備えており、いかにもアメリカ開拓時代を思い起こさせる形をしています。また弁慶号の他に、義経号とか静号など、平家物語に由来する愛称がつけられていたことでも、大変有名です。
このようにアメリカから輸入されたという事実などは承知していたのですが、NHKで放送された過去の映像では、運転台から撮影したところも映っていました。これを視て驚いたのですが、運転席が右側にありました。日本では、SLも、現在の電車なども、全て運転席は左側にあります。駅の到着ホームで左側の扉を開けるので、運転席に近い側です。ところが弁慶号は運転席が右側なのは、アメリカの鉄道事情を反映しているのでしょうか。自動車も、日本とアメリカでは運転席の位置が反対ですが、蒸気機関車も運転席の位置が反対だとは、これまで思ってもみませんでした。
運転席が右だろうと左だろうと、石炭投入口が中央にあるのは、日米の差はありません。ただし、石炭投入口の扉の蝶番が左にあったのは気になりました。運転席が左側にあれば、石炭投入口を開けた際に、扉が運転席側に開くので、熱気が遮られる(若干でしょうが)可能性があります。ところが運転席が右側だと、石炭投入口を開けた際に、扉が運転席と反対側に開きますから、運転席に熱気がまともにあたるんじゃないでしょうか。
百聞は一見に如かずに言いますが、映像の力は、自らの理解の及ばなかった事柄を明らかにしてくれると思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿