2021-11-01

並木浩一・荒井章三編『旧約聖書を学ぶ人のために』

NHKから出版されている「学びのきほん」というシリーズの最新刊『キリスト教の核心をよむ』を買ってみました。このような入門書は昔から各出版社から出ています。この書籍には巻末にブックガイドが掲載されており、次に何を読んだらよいのか分かるので、とても有り難いです。


近所の図書館が所蔵していた『ユダヤ教の誕生―「一神教」成立の謎』(荒井章三)を借りて読んでみました。個人的には分かりやすかったので、次に『旧約聖書を学ぶ人のために』(並木浩一・荒井章三編)も借りてみました。


キリスト教を「学ぶ」とは何かと考えてみると、信仰を目的とする人もいるでしょうし、信仰とは無関係に文化的背景として知りたい人もいるでしょう。それぞれ学ぶ目的が違う訳ですが、本書の巻末には「旧約聖書研究史・文献紹介」として参考となる文献が紹介されています。しかも、単に文献が羅列されているだけではなく、多くのコメントがついているので、とても助かります。しかも以下に引用するような記述もあり、その主張も納得できます。

この場合の「学ぶ」とは、聖書的信仰の有無に関わりなく、旧約聖書の諸文書の内容や思想、成立の過程や歴史的な背景などについて、客観的な知識と学問的な理解を得ようとすること(このような立場を「歴史的・批判的研究」と言う)と了解しておく。


 新旧約聖書は西洋文化(美術、建築、文学など)の基礎なので、信仰的関心とは別にして、理解したいと思っています。そのために、本書と、そこで紹介されている文献は、とても役に立ちそうです。

0 件のコメント:

コメントを投稿