近年間違った日本語として指摘されるのが「~になります」という表現です。これを指摘したのが『問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?』ですが、2004年の出版ですから、もう15年ほど前のことになります。しかも出版された時点では既に問題視されていたわけですから、この現象は約20年(もしくは、さらに長く)続いているということになります。
これ以外にも気になる表現がありますが、まとめて「バイト敬語」と呼ばれているようです。
話を戻して、「~になります」が気になるのは、「何かに変化する」という含意がある表現である事や、何故「~です」を使用しないのかという事です。上述した書籍で事例としてあげているのが、食堂で耳にする「こちらきつねうどんになります」です。何故「こちらきつねうどんです」と言わないのだろうかという疑問です。
この件に限らず日本語表現の話題では、「それは方言だ」とか、「言葉は変化していくものだ」、「文法的に問題はない」などの擁護意見が常に現れることです。その指摘が妥当か否かは、ここでは問わないでおきます。むしろ気になったのは、「~です」を「~になります」と表現することと、逆に「~になります」を「~です」と表現することが可換なのだろうかという点です。
この文章の最初で「~という表現です」と書きました。これを「~という表現になります」と書いたら、違和感はありますが、近年の表現の風潮を踏まえると、ありえない表現ではないでしょう。
さらに上述した文書では 「続いているということになります」とも書きました。これを「続いているということです」と書いたら、違和感はありませんが、ニュアンスが変わってくると思います。推敲することでどちらの表現を選ぶか選択することになるでしょう。
つまり「~です→~になります」≠「~になります→~です」という事ではないだろうかと思いました。もう少し事例を集めて考えてみたいと思います。
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