大岡越前でも、暴れん坊将軍でも、水戸黄門でも何でもよいのですが、時代劇を見ていると暴れ者に襲われる庶民が登場するシーンがよくあります。そういうシーン(に限りませんが)などで、暴れ者が「このクソじじい」と罵る台詞が聞かれます。こういう台詞は、時代劇とはいえ歴史を忠実に反映している訳ではないので、今日の視聴者に馴染みのある表現になっています。もしかすると将来いつかは、「このクソじいじ」となる日が来るかもしれません。
まさか時代劇で「じいじ」などという台詞が現れるとは、僕自身は思っていないのですが、言葉の変化は予断を許しません。時代劇の表現が、その時代に忠実にしすぎると、 視聴者がついてこられなくなります。時代劇は、その時代を忠実に描くことも大切ですが、視聴者を楽しませることも大切なので、そのバランスをとる中で、今風の表現が出現する可能性もあるでしょう。
Webに「「じいじ ばあば」に虫酸が走る? 祖父母をどう呼ぶか問題 学者が読み解く“いま”を映す家庭内の距離感」という記事がありました。「じいじ」とか「ばあば」という表現が何時頃から使われているのか判然としませんが、2000年以降ではないかとみられます。この表現を嫌う人がいます(僕もそうです)が、むしろ喜んで使う人もいます。記事では次のように書かれています。
「『じいじ ばあば』は、『パパ ママ』同様、密な家庭のその関係の中だけで、特別に孫や子に呼んでもらえる名前。その点が大きいのではないでしょうか」
そして「じいじ ばあば」を嫌う人が一定数存在する理由もそこにあると、石黒教授は言う。
祖父や祖母を表現する言葉として、「(お)じいさん/(お)ばあさん」、「(お)じいちゃん/(お)ばあちゃん」、「じじい/ばばあ」などが昔から使われてきましたが、今はそれに「じいじ/ばあば」が加えられています。しかしTVドラマでも実生活でも、人に呼び掛ける表現として、「おい、じいさん」、「おい、じいちゃん」、「おい、じじい」などは考えられますが、少なくも2025年の今では「おい、じいじ」は無いと思います。しかし将来は、当たり前になっている日が来るかもしれません。100年後ならあり得るかもしれません。もしかすると30年後にはなっているかもしれません。時代の変化は激しいので、10年後には普通に使われているかもしれません。
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