ちょっと古いですが「駅ナンバリングはなぜバラバラなのか 鉄道会社の“独自ルール”が招く誤解」という記事を見つけました。今では一般的になっていますが、「駅ナンバリング」をつけるようになった理由はよくわかりません。JR東日本が2016年4月6日付で「首都圏エリアへ「駅ナンバリング」を導入します」という発表をおこなっていますが、ここでは2020年の東京オリンピックを見据えて、訪日外国人の利便性をあげています。
その導入目的はさておき、「駅ナンバリング」という名称は、どのようにして決定されたのでしょうか。おそらく、いろいろな議論が、どこかでなされた結果として決まったのだと思います。「駅ナンバリング」というのは、現状を確認すれば、「駅」に番号をつけているというのは、正確ではないでしょう。さきほどのJR東日本の発表資料では、「駅ナンバリング表示駅一覧」がついています。それによると、例えば「上野駅」は、次のようになっています。
- 京浜東北線・根岸線では「JK30」
- 山手線では「JY05」
- 宇都宮線・高崎線では「JU02」
- 常磐線快速では「JJ01」
このように、同じ駅なのに「路線」ごとに別の番号が割り当てられています。つまり「駅」に番号を割り当てているというよりは、「路線を基準」として「駅」に番号を割り当てていることになります。そうなると「駅ナンバリング」というよりも、「路線別駅ナンバリング」と呼ぶほうが正確なのでしょうけれども、ネーミングとしては、今ひとつかもしれません。
駅ナンバリングの目的は、先の記事では「「何番目の駅か」がひと目で分かるようにする」ことにあるので、厳格に「駅」ひとつずつに番号を振ってしまうと、「何番目の駅かが結局わからない」となる恐れがあります。それでは何のために番号を割り当てたのか疑問です。
このように考えてくると、「駅ナンバリング」という名称が、本来の目的とは微妙にずれているネーミングになっているのが問題ではないかという気がしてきました。おそらく本来の目的は、「駅」に番号を割り当てたかったのではなく、不慣れな旅行者などが目的の「駅」まで「残り何駅なのか素早く認識できる」ようにする仕組みづくりだったのでしょう。