1982年にホビージャパンから出版された『ウォーゲームハンドブック』という書籍がありました。その中には、ゲームの制作過程を示すために「Drive on Metz」というミニゲームが付属していました。その後に原著もゲームも改訂され、今はPDFで入手できるようになったようです。このあたりの経緯は、Web上の記事「発見!! ジェームズ. F・ダニガン『ウォーゲームハンドブック』と『メッツ進撃作戦』(Drive On Metz)」にあるとおりです。
1980年代にシミュレーションゲームが流行した頃に、AHのSquad Leaderシリーズを入手し、またSPIの第二次欧州大戦をHJが発売したものを入手しました。しかしシミュレーションゲームは、ゲームとは言いながらも、諸般の事情により、購入しただけで終わってしまっていました。
- ゲームの対戦相手が見つからない。
- ゲーム時間が長くなるので、遊びにくい。
- マップが大きくて、広げる場所がない。
- ルールが複雑だと、プレイする前の勉強が辛い。
いろいろと遊ぼうとする上で障害が立ちはだかるのですが、「Drive on Metz」はミニゲームなので、上述した事柄はあまり問題になりません。対戦相手が必要なのは変わりませんが、ソロプレイでも構わないでしょう。
次に気になるのは、少なくとも「シミュレーション」ゲームなので、史実との整合性です。ゲームをデザインする中で、シミュレーション性を重視するか、ゲーム性を重視するかは、悩みどころのようです。もしシミュレーション性を重視するとしても、AHのSquad Leaderシリーズの各シナリオだと、予め用意されているボードを組み合わせるしかありませんから、現実の戦闘が行われた地形とは違っています。部隊の編制も、リアリティを高めようとしたら(シミュレーション性を重視したら)、とてもゲームにならないようなカウンターが必要となってしまいそうです。 結局は、AHのSquad Leaderシリーズは、シミュレーションゲームではあっても、ゲーム性を重視しており、WWIIの歩兵部隊の動きがシミュレートできる「気分になる」だけです。
それに比べると、「Drive on Metz」は、なにしろ現実に起こった出来事を踏まえています。マップや登場する両軍の部隊も、現実を踏まえています。ゲームした結果が現実と同じになるとは限りませんが、歴史の追体験ができる可能性は高そうです。
このゲームの参考情報がウィキペディアに「メスの戦い」としてありますが、ゲームに関係するのは極めて一部です。また米軍が発行した戦史がPDFで入手できますが、それを読み解くのも、骨が折れる作業です。
どうしたものかと考えていましたが、GoogleのNotebookLMを使ってみることにしました。ゲーム本体や米軍戦史のPDFを与えておけば、任意の質問に答えてくれます。普通のGoogle検索やGeminiでは、特定の出来事の詳細情報については答えが出ませんが、NotebookLMならば、頑張って返事をしてくれます。
まずは、「Drive on Metz」に登場する両軍の部隊が、ゲーム期間中に何処にいたのかをNotebookLMに問い合わせてみました。分かる範囲での回答ではあるのですが、それが史実ということになるでしょう。シミュレーションゲームは、「歴史のif」を明らかにすると言われます。史実を踏まえて、もし部隊が別の動きをしていたらという関心に答えをだしてくれるかもしれません。
あ
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