東京大学出版会から出ている『まなざしのレッスン』(西洋伝統絵画、西洋近現代絵画)を読み終えました。購入したのは5年ほど前なのですが、積読のままになっていて、ようやく読了できました。
普段から美術館などに足を運ぶようにしています。しかし義務教育で受けた美術の授業以上の教育を受けているわけではないので、なんとなく作品を眺めているだけに過ぎず、もう少し体系的に鑑賞できないものだろうかと思っていました。読書における「読書百遍意自ずから通ず」のように、美術でも何度も眺めていれば次第に分かるだろうという気持ちもありました。
何度も美術作品に接していれば、なんとなく分かってくる気になったりもしますが、鑑賞するポイントを学ぶ書籍を探し求めていました。そんな時、ふと図書館で本書を見つけて読んでみたところ、まさに求めていたような内容でした。手元にも置いておこうと思って購入したのですが、それ以来積読のままになっていました。
西洋絵画の見方に関する書籍は、本書以外にも少なくありません。しかし本書で次のように語っている(「西洋近現代絵画」12ページ)ように、類書とは異なる特徴を持っています。
その際、西洋近現代絵画に関する通史、概説、画集にありがちな時代順や作家別にすることなく、この2世紀間の西洋絵画史において根本的な重要性を持つと思われる問題やテーマを主軸に据えて述べるつもりです。(中略)近現代特有の芸術運動が出現しては次の運動に替わられていく単純な「イズムの交替史」としての歴史記述からは一定の距離をとります。(中略)歴史に名を残した画家たちをつないでいく「巨匠の交替史」からもあえて身を引き離したいと思います。
ひとまず通読し終えたばかりです。これからも何度も読み返して、美術館で作品を鑑賞する際の参考にしていこうと考えています。
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