数年前にハンナ・アーレントの『イェルサレムのアイヒマン』を買いました。それほど分厚い書籍ではないのですが、読みやすい本でもないので、ちょっと読んでは投げ出してしまう事を繰り返して、積読になっていました。そうこうしているうちに新訳『エルサレムのアイヒマン』が出てしまいました。
自宅で読もうとすると、気が散る要因が多々あり、なかなか集中できません。仮に読んだとしても、一度だけ通読したくらいでは、読んだことにはなるかもしれませんが、理解したとは言い難い気がします。そうであったとしても少なくとも通読しておく事は必要だと、ずっと思っていました。
電車に乗って移動中に本を読むというのは、非日常的な時間でもあり、興味を逸らせるような要因がない空間でもあり、積読状態だった本を片づけるには都合がよさそうです。そう考えて、この年末年始に最初から最後まで通読するという目標を立てました。
じっくり読もうとすると、固有名詞やら当時の事情やらを理解していないと困るので、単に字面を追っただけといえるかもしれません。しかし流し読みするつもりなら、ページをペラペラめくりつつ最後まで読んだ気になることだってできてしまいます。熟読でもなく、流し読みでもない、ほどほどの労力をかけて読み終えました。これで全体の流れは押さえたので、今後何度も読み返そうと思っています。
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