2017/02/15

簡体字と旧仮名遣い

The Japan Times STの2017年2月10日号にTan Ying Zhenさんのエッセイ「Happy learning!」が掲載されていました。著者はシンガポール出身とのことなのですが、中国本土出身の中国系なのかもしれません。そう思ったのはイラストに簡体字が使われていたからです。例えば「笑口常开」(これは「Keep smiling!」という意味だそうです)のような簡体字を用いた中国語が描かれていました。中国系であったとしても台湾出身ならば繁体字をつかうのではないかと思いました。

簡体字はウィキペディアでは「1950年代に中華人民共和国で制定された」と説明しています。日本でも戦前まで使われていた漢字の字体を簡略化しましたが、簡体字はもっと大胆です。一方で台湾では今日でも昔と同じ字体(これが繁体字)を使っているので、日本と台湾と中国本土で三者三様です。

シンガポールの中国出身者の滞在時期にもよると思いますが、簡体字が使われる前からシンガポールに在住していた中国系シンガポール人であれば簡体字の教育は受けていないでしょう。おそらく繁体字を用いた教育を受けているはずです。しかし中国本土で簡体字が使われるようになると、 その影響を受けざるをえないと思います。次第に簡体字を使うようになっていくのではないでしょうか。それでも幼少期に受けた教育が繁体字をベースにしているはずなので、その影響で、たまには文章の中に繁体字が姿を見せることがあるのではないかと思います。

これは日本語の教育が戦前の旧仮名遣いから戦後の現代仮名遣いに切り替わったことに似ていると思います。旧仮名遣いの頃の教育を受けた世代は、戦後になって時代の趨勢が現代仮名遣いになると、自らの書く文章も現代仮名遣いに切り替えることになりますが、何かの拍子に文章中に旧仮名遣いが姿を見せてしまうことがあります。「~でせうか」とか無意識に書いてしまうことが、極稀にあるようです。

幼少期に学んだことは、普段抑えられていても、何かの拍子に顔を出すことがあるようです。

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