ところが「規律」を具体的に述べるくだりでは、このように書かれているのです(166頁)。
毎朝決まった時間に起き、瞑想するとか、読書するとか、音楽を聴くとか、散歩するといった活動に一定の時間を割き、推理小説を読むとか映画を観るといった逃避的な活動には最低限しかふけらず、暴飲暴食はしない――といったことは誰にでもわかる基本的なルールだ。この文の前半は、「規律」という言葉から一般的に想像されるような行動だと思います。しかし後半まで読み進めると、「?」という気持ちになります。それは、前半にある「読書する」というのが、後半では「推理小説を読む(中略)といった逃避的な活動には最低限しかふけらず」と具体的に説明されるからです。それでは「読書する」時に読むのは、どんな書籍を想定しているのでしょうか。どうやら推理小説は駄目のようです。もしかするとライトノベルも駄目かもしれません。人生を深く考える修養書なら大丈夫だと思いますが、具体的に何でしょうか。
この本は、全体を通して読むと、とても良い本だと感じています。何度も繰り返し読みたい本だと思います。しかし字面を追うだけではなく、一文一文をじっくりと批判的に読んでいきたいと思っています。
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