この本はUNIX MAGAZINEの連載をまとめたものですが、もう15年ほど前に執筆されたので対象となるFreeBSDはバージョン5.1です。いろいろと変わったところもあるでしょうが、枝葉末節を気にしなければ、大筋は変わっていないかもしれません。それは別にどちらでもよくて、変化していても、変化していなくても、それを踏まえて、カーネルの世界を歩いていく練習をするのが目的です。
学ぶ環境はVirtualBox上に構築することにします。まずは連載最終回の第17回「カーネルデバッガ」の手順を追体験してみます。
カーネルデバッガを使えるようにする基本的は変わっていないようですが、指定できるオプションがFreeBSD 12では違いがありました。またカーネル構築手順も違っています。
カーネル定義ファイルは、記事同様に「UMKERNEL」としておきます(これはUnix MagazineのKernelという意味なのでしょう)。記事では既存のカーネル定義ファイル(GENERICなど)を変更して作成することが想定されているようですが、今回は次のようなファイルを新規に作成しました。これはFreeBSDハンドブックの「8.4. コンフィグレーションファイル」に書いてあることに倣ったものです。
include GENERICカーネルのコンパイル方法も違っています。記事にあるのは伝統的なBSDにおけるカーネルコンパイル方法ですが、「8.5. カスタムカーネルの構築とインストール」に倣って、次のようにしました。コンパイルに1時間半ほどかかりました。
ident UMKERNEL
options DDB
options DDB_NUMSYM
options GDB
# cd /usr/srcカーネルを入れ替えたら、再起動します。記事では「DDBの呼び出し方」として5種類あると書かれていますが、このあたりも今は若干違うようです。記事にも書いてある最初の手順「キーボードのCtrlとPrtScキーを同時に押す」を実行したところ、カーネルデバッガに入ることが出来ました。
# make buildkernel KERNCONF=UMKERNEL
# make installkernel KERNCONF=UMKERNEL
ひとまず、ここまでは成功です。次はリモートデバッグに挑戦してみようと思います。すでに実験しているところです。概念は難しくないのですが、うまくいきません。記事ではVMwareを利用していますが、僕はVirtualBoxにしようと思っています。それが手強い原因とも思えませんが、なんとか解決したいと思います。
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