2019-08-15

小平尚道『アメリカ強制収容所』を読んで

雑誌「ナショナルジオグラフィック(日本版)」の2018年10月号を読んでいたら(定期購読しているので毎月郵送されてきているのですが、忙しくて読む時間がとれずに溜まっています。時間をみつけて、読んでいる最中なのですが)、「強制収容された日系人」という記事がありました。話題がそれますが、この記事のタイトルがこれで正しいのか不明です。というのは、目次にあるタイトルは、先述したようになっていますが、本文にはそれらしいタイトルがなく、タイトルらしきものとして「私はアメリカ人です。戦時中の日系人強制収容が今の米国に問いかける。」とあるだけなのです。

閑話休題。第二次世界大戦中のアメリカにおける日系人強制収容については、話には聞いていましたが、詳しく知りません。1980年頃になってからアメリカ政府が誤りを認め謝罪したとの話も聞いたことがありますが、詳しく理解している訳ではありません。

まずは参考になるような書籍を読んでみようと図書館で調べてみたら『アメリカ強制収容所―戦争と日系人―』(小平尚道、1980年)というのがあったので借りてきて読んでみました。著者である小平尚道は、1912年に米国生まれの日系二世で、シアトル長老教会牧師でした。日系人として強制収容された体験者です。本書は、その体験記であり、アメリカにおける日系人強制収容の全貌を明らかにしているわけではありません。本書の序文で著者が以下のように記しているとおりです。
 したがって、私の経験はミネドカ収容所に限定され、これを一般化することはできない。あくまで私個人の体験で、どこの収容所も、こうだったとは言えない。それ故、この本はアメリカ収容所の全体を画いたものでなく、その一部を録したものにすぎない。

 著者は日米開戦前の1940年夏から秋にかけて日本を訪れ、満州にも行ったことが、まず最初に記されています。本書の基調は体験談なので、その時に著者の身に何があったのか、また著者が当時の日本の状況をどのように見ていたのか、そして日米の違いをどう感じていたのか等に主眼をおいて記されています。その内容は著者の主観ですから、それを割り引いて理解する必要がありますが、その反面として著者の関心の在りかや感想を通して、当時の社会をより深く知ることができます。これはとても興味深いことで、無味乾燥な教科書の(可もなく不可もなく、と言った)淡々とした記述に比べると、説得力があると感じました。

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