2019/04/01

“エデンの園”風環境保護主義

ジャレド・ダイアモンドの『文明崩壊』を読んでいます。上巻は読み終わって、下巻に入りました。本文を読む前に、巻末の「訳者あとがき」に目を通すと興味深い記述がありました。
似たような論法で、過去の先住民を“聖なる人々”とあがめ、彼らがみずから環境を破壊したという事実を認めたがらない学者もいる。そういう視野の狭い“人道主義的”態度を、ダイアモンド博士は“エデンの園”風環境保護主義と呼ぶ。その学者たちがなぜそこまで極端な説に走るかというと、反対側の極に、先住民の環境破壊を盾にとって先住民への虐待や放逐を正当化しようとする“後住民”の利益集団がいるからだ。どちらの極論も、正当な科学的研究の成果とは相容れない。
環境問題に限らず、このような立場をとる姿はよく見られます。「“聖なる人々”」には善意しかなく、問題がおきたのは悪意のある他者の仕業でしかないというわけです。もし研究の結果として「“聖なる人々”」が関わっていたことを否定できなくなると、それは悪意のある他者に「強制され」、やむを得ずおこなった出来事でしかないということになるわけです。

正当な科学的研究の成果を「道徳的な価値観」と混同しようとするから、上述したような態度に繋がるのではないかと思っています。両者は分離して考えるべきでしょう。

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