2019/03/30

美術作品(絵画)とコンテキスト

美術館に行くと、たくさんの絵画が展示されています。展示されているのは絵画だけではありませんが、ここでは絵画を考えます。

額に収められた絵画は、それだけで単独の作品として見做され、原所有者の壁(もしくは保管庫)から美術館の壁に、自在に移動されて当然と思われるかもしれません。しかし、本当にそうなのでしょうか。

大聖堂の壁を飾ったステンドグラスや宗教画は、元々の建物の中に配置されていることが、その存在を形作っていたのではないでしょうか。貴族や王侯の肖像画は、その王宮や館の然るべき部屋の壁に飾られていたことが、その存在を意味づけていたのではないでしょうか。

そのようなコンテキストから切り離して、作品だけを単独で美術館に並べていることで、鑑賞する態度が変わってくるはずです。

作品を鑑賞する時の細々な諸条件を全て含めて100%とすると、作品のオリジナルの環境が与える影響は微々たるものかもしれません。オリジナルの環境で鑑賞しようが、美術館で鑑賞しようが、作品そのものが持つ魅力は、何も変わらないのかもしれません。

例えて言うなら、音楽を鑑賞するために、ライブで鑑賞しようが、LPで鑑賞しようが、CDで鑑賞しようが、音楽そのものの魅力に変わりはないというようなものではないでしょうか。CDはデジタル化するために高周波成分を切り捨てています。それは人間の耳には聴こえないというのが理由になっています。しかし高周波成分は、耳では聴こえないかもしれませんが、人間はそれを感じることが出来るという研究があります。CDよりもLPの方が音がよいと主張するひともいます。

同じようなことが美術作品にもあるのではないかと思うのです。

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