2017/08/18

官報附録「全國汽車發著時刻及乗車賃金表」

時刻表百年のあゆみ』の13ページ(第1章 明治時代 2 官報掲載の時刻表)には次のような記述があります。
「官報」付録に時刻表掲載の三回目は一八九〇(明治二三)年七月二五日で今回から『全国汽車発着時刻賃金表』の表題となる。(中略)以後「官報」付録の時刻表は毎月発行されるようになり、一九〇〇(明治三三)年まで発行が確認されているが、具体的に何年何月まで発行されたかは未確認である。

この記述が正しいなら、明治23年から明治33年ごろまで約10年間に亘り官報附録の時刻表が発行され続けたことになります。毎月発行ということなので10年間なら百数十回は発行したと思われますが、国立国会図書館デジタルコレクションにある官報を閲覧しても、数えるほどしか見つかりません。これは一体どういうことなのでしょうか。

どうやらデジタル化された官報は、付録時刻表が随分抜け落ちているようなのです。

この官報は書誌情報に「出版社 日本マイクロ写真」とあるように、株式会社ニチマイ(旧・日本マイクロ写真株式会社)が販売しているマイクロフィルムを使っていると思われます。ニチマイのWebにある沿革には昭和35年3月に「大蔵省印刷局から官報マイクロ版制作認可」されたことが書かれています。公立図書館などで明治期の官報がマイクロフィルムとして閲覧できることを紹介していることがありますが、おそらくニチマイの製品を購入しているのでしょう。

国立国会図書館デジタルコレクションにある官報を(目を皿のようにして)探しましたが、次の6件くらいしか見つけられませんでした。
  1. 官報第2121号附録(明治23(1890)年7月25日)
  2. 官報第2258号附録(明治24(1891)年1月12日)
  3. 官報第2852号附録(明治25(1892)年12月28日)
  4. 官報第2923号附録(明治26(1893)年3月31日)
  5. 官報第3452号附録(明治27(1894)年12月28日)
  6. 官報第3874号附録(明治29(1896)年5月30日)
デジタル資料ではありませんが、書籍の中に「全國汽車發著時刻及乗車賃金表」が掲載されていることがあります。

時刻表百年のあゆみ
  1. 官報第1903号附録(明治22(1889)年10月31日)p.13
時刻表でたどる鉄道史
  1. 官報第3026号附録(明治26(1893)年7月31日)p.38
史料鉄道時刻表
  1. 官報第1903号附録(明治22(1889)年10月31日)pp.167-174
  2. 官報第2852号附録(明治25(1892)年12月28日)pp.183-186
  3. 官報第2874号附録(明治26(1893)年1月31日)pp.187-190
  4. 官報第3026号附録(明治26(1893)年7月31日)pp.191-194
  5. 官報第3127号附録(明治26(1893)年11月30日)pp.195-198
懐しの時刻表
  1. 官報第1903号附録(明治22(1889)年10月31日)
  2. 官報第3978号附録(明治29(1896)年9月30日)
これらの書籍では、全てが掲載されている場合と一部だけが参考程度に掲載されている場合があります。いずれにせよ官報附録として発行されていたことが確認できる訳ですが、これらの多くが国立国会図書館デジタルコレクションの官報からは漏れているのです。何故このようなことになるのでしょうか。国立国会図書館の東京新館3階にある議会官庁資料室に行って尋ねてみましたが、経緯は不明のようでした。

「全國汽車發著時刻及乗車賃金表」は古書店で取り扱っている場合もあるようです。「日本の古本屋」で検索してみたら(値段は高いが)10件弱ほど見つかりました。

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