2017/03/27

鉄道愛好家の呼び方の変化と関心の細分化

鉄道を趣味の対象とする人を昔は「鉄道ファン」と呼んでいました。その中には個性が強く、関心の対象が鉄道にしかないのではないかと思われるような人もいて「鉄道マニア」と呼ばれたりもしました。時代が進み1970年代後半以降になるとアニメファンの中に「おたく」と呼ばれる人たちが出現し、そのキャラクターの類似性から「鉄道オタク」という呼び方がされるようになりました。さらに時代が進むと「鉄ちゃん」という呼び方が誕生し、近年では「乗り鉄」とか「撮り鉄」などの細分化が進んでいます。

昔ながらの鉄道ファンというのは、鉄道に乗って旅行もする(ただし注意しておかなければならないのは、当時は旅行するには鉄道を使うしか方法がなかったという時代背景があったということです)し、 鉄道の写真も撮るし、鉄道模型にも手を出す(ここも注意が必要ですが、今のようにNゲージなどは無く、Oゲージは大きくて場所を喰うので、興味があっても手を出せなかった人もいたということです)し、要するに鉄道に関することなら何でもしていました。だから趣味として「鉄道ファン」と言えば、その言葉に含まれる全ての対象を含意していたと言えます。

ところが今では「鉄道ファン」という言葉だけでは、興味の対象を表せなくなっているようです。つまり「乗り鉄」と言ったら「鉄道に乗ることだけが関心対象」で、「撮り鉄」であれば「鉄道を撮影することしかしない」ようなのです。現実には複数分野に興味がある人が多いのでしょうが、それでも鉄道に関わる全てを対象とする人は少なくなっているように感じます。それが呼び名が細分化されていく現象に現れているように思います。

ここ数年の間に、ブルートレインの廃止、地方ローカル線の廃止、旧型車両の廃止などが続き、その一部はマスコミにも取り上げられて大きく報道されました。そうなると、もう鉄道に愛着する気持ちなど全く持ち合わせていなくて、ただひたするた押し寄せて最終列車にむけて叫ぶだけという、これはファン(愛好家)なのかと疑問を感じる群衆が出現しています。

言葉が細分化されていくことで興味の対象を限定できるようになっています。しかし興味の対象を限定できることで、さらに関心が細分化し、新たな表現を生み出し続けているように思います。

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