2016/11/15

『戦争と平和』

文豪トルストイによる名作『戦争と平和』は昔から気になっていました。読んでみようと思いながらも躊躇していた理由は、かなりの長編なので読むには覚悟を要しそうだというのもありますが、おおまかなストーリーの流れを知らないので、先の見えない物語を読み続けられるか心配だったのです。

有り難いことにNHK BSプレミアムで2016年9月1日に映画「戦争と平和」が放映されました。この作品は1956年に制作され、オードリー・ヘップバーンがナターシャを演じており、3時間を超える大作です。どんな映画であっても描かれているのは監督のイメージする原作のエッセンスであり、原作そのものを余すところなく語られているとは限りません。そうだとしても、トルストイの『戦争と平和』の全体像が見えてきました。この映画は2017年1月1日の午前中にも放送されるようです。

さらにNHK BSプレミアムでは2016年9月25日から全8回でBBC制作ドラマ「戦争と平和」が放送されました。映画を見て予習したおかげでストーリーの展開が分かっていたので、安心してドラマを楽しめました。各回45分で全8回なので6時間あまりの作品です。1956年の映画の2倍くらいの時間がありますが、それでもストーリー展開が早く、原作ではもっと長々と描写されているんだろうと思いました。

『戦争と平和』では、大雑把にいうと、ナポレオンがモスクワに攻め込み「冬将軍」に負けた時代のなかで、ロシア貴族の家系に属するピエール、アンドレイ、ナターシャをめぐる人間模様が表現されています。『戦争と平和』について登場人物が多すぎるので読むのが大変だということをよく言われます。作品に登場させる人物を絞り込むか増やすのかは作家の裁量です。ナポレオンのロシア遠征という大きな問題を扱っていれば、登場人物が多いのはやむを得ないでしょう。

原作を読んでみる気になったので調べてみると新潮文庫岩波文庫から出ているようです。翻訳作品でありがちですが、訳が良いとか変だとかamazonなどにコメントがついています。青空文庫にあると良かったところですが、まだ作業されていないようでした。

ナポレオンのロシア遠征はロシア人の歴史にとって大事件であり、チャイコフスキーの「序曲1812年」も有名です。この作品は、ナポレオンを追い払ったロシアが歓喜に沸き、祝砲を打ち、教会の鐘が鳴り続けるなかで演奏が終わります。普通のコンサートでは大砲も鐘も楽器を使って摸倣するだけですが、極めて稀に本物の大砲を打ったり、本当に教会の鐘を鳴らす演奏があるそうなので、さぞかし迫力があることでしょう。いちど体験してみたいものです。

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