2016/09/05

日本にある和風建築と洋風建築

日本にある個人住宅を大雑把に表現する場合に「和風」か「洋風」かという区別をします。和風というと「(いかにも)日本古来(と思っている)」ような外観で、洋風なら「(見たことはないけど)欧米を意識した」外観の建物をイメージします。

しかし和風建築だろうが洋風家屋だろうが、結局のところ日本の生活様式や技術文化を受け継いでいる家屋でしかありません。 例えば和風建築と言ったところで、平安時代の寝殿造りや室町期の書院造りそのままの家屋を新築する人はいないでしょうし、できないでしょう。一方で洋風建築と言っても、入り口を「玄関」と呼び、そこでは履物を脱ぐ構造であり、部屋の寸法は畳のサイズをベースに考えているはずです。

さらに重要なのは、日本の家屋には「大黒柱」という言葉で表されるように、「柱を中心」に構造を考える習慣であることです。これに対して外国(外国と言っても広いので「洋風」が想定している欧米など)では「壁を中心」に家の構造を考えます。

歴史的には、煉瓦を積み上げて壁を築くのが家作りの基本でした。そこに内装や屋根を加えると家が出来上がるので、建築物の中心を貫く柱(=大黒柱)という発想がありません。そうなると私たちが「洋風建築」と言っているのは、「日本的な構造思想」に「洋風(と言っても、欧米には実は存在しない)の外観」を足したものに過ぎず、結局は「(現代的な)和風建築」です。

単純化すると次のように言えるのではないでしょうか。
  • 寝殿造り(→平安時代的和風建築) 
  • 書院造り(→室町時代的和風建築)
  • 我々が呼ぶ「洋風」建築(→現代的和風建築)
結局日本国内にあるのは全部「和風建築」だろうと思います。建築部材や施工技術者を外国から呼び寄せて「真に洋風の建築」を日本でおこなおうとしても、おそらく建築基準法などの制約により認められないのではないかと思います。


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