2016/05/01

報道における「あるかどうか」と「ないかどうか」

テレビや新聞の報道において「~であるかどうか」という表現と「~でないかどうか」という表現が使い分けられているのか否か疑問を感じています。例えば朝日新聞DIGITALでは「マックに覚醒剤350万円分忘れる 所持罪で起訴の女」(2016年4月30日05時04分配信)という記事があり、そこには次のような表現があります。
府警は所持量の多さから、密売していた可能性がないか調べている。
この記事では「~ないか調べている」と書かれています。ここで「密売していた可能性があるか調べている」と書くことは可能なのでしょうか。ニュースを見聞きしていて、感覚的には、「~でないか調べている」と表現されることが多いように思います。これは社内規定か何かで「~であるかどうか」という表現を使わないようにしているのか、それともケースバイケースで判断されているのか、疑問に思っていました。

NHK放送文化研究所の「最近気になる放送用語」というQ&Aコーナーに「「あるかどうか」? 「ないかどうか」?」(2005年3月1日付)という記事がありました。そこでは「「あるかどうか」はある程度ニュートラル」だが「「ないかどうか」は「ない」ことが前提になっている」と回答されています。これがNHK独自の解釈なのか報道関係者共通の認識なのか不明ですが、そうであれば上述した記事では「密売していた可能性がない」ことが前提で調べていると報じていることになります。

重箱の隅をつつく様なつもりではありませんが、 捜査に予断を持たずニュートラルであるべきなら「密売していた可能性があるか調べている」と書く方が望ましいことになります。

それほど厳密さに拘って表現を選択しない日常会話では、「~であるかどうか」と「~でないかどうか」は、その場の感覚で選択され、その違いには注目していないことが多いように思います。

ニュース記事では、より厳密さに留意した表現が選択されているのだと思いますが、これらの表現をどのように使い分けることにしているのか、興味があります。

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